日本人にとっての神、神の取り換えをする感性

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日本人にとっての神、神の取り換えをする感性

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概要

まとめ
天皇は神を取り替える権限を持っていた
●最後の取り換えが天照大神だった
●取り替えには臣民誰もが「こりゃ神の取り換えをしないとな」と思う事件が必要
●天照大神の取り換えのきっかけが白村江の戦いで敗れたこと
●神の取り換えは日本人なら当然の感覚

一神教と多神教と日本

一神教は多神教が整理されたもので、多神教はあくまで途中の段階、と捉えられるかもしれません。日本も古代という時代が長かったら「一神教」に移行していたかもしれません。もちろん、一神教が必要なほどの人口ではなかったのかもしれません。

大王(=天皇)は、「神を取り替える」という特別な権限を持ちました。といっても、エジプトでも王が主祭神を変えるというのはあったわけで、特殊な権限といっても、他に無いほどの特殊さではありません。
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神と生活、切り離せない関係

日本人にとって神は畏怖するべき存在ではありますが、便利な道具でもあります。恵みをもたらしますし、組織に一体感を持たせます。もちろんご機嫌を取らなくてはいけませんが、ご機嫌を取る儀式――つまり「お祭り」も民の楽しみです。
祭りは特に民にとって大事なもので宗教が変わっても祭りの風習だけが残るというこはよくある。クリスマスやバレンタインが良い例。これらも元々は現地の祭りだった。日本では「彼岸」。彼岸は名前こそは仏教だが古来の風習と思われます。

そう簡単には取り換え出来ない
神と生活は切り離せないものです。ぴったりくっついて癒着しているのです。だから「取り替える」といってもそうそう頻繁にはできません。誰もが明らかに「こりゃダメだな」と思えるような事態にならないと「取り替え」は出来ません。臣民の同意あっての「取り替え」です。
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あの白村江の戦いがきっかけ

最後の取り替え
日本が最後に神の取り替えを行ったのが「天照大神(アマテラス)」です。天照大神以前の主祭神は「高御産巣日神タカミムスビ)」ではないか?と言われますが、そこのところは別のページで。

では、なぜ天照大神の取り換えがあったかというと、663年に日本・百済と唐・新羅の白村江の戦いで完膚なきまでに敗れたためです。
この戦争は実質、「日本」と「唐(中国)」の戦いでした。百済と新羅はおまけ、名目。朝鮮戦争で共産国家(ロシア・中国)とアメリカが南北朝鮮の名目で戦ったのと同じです。

白村江での戦いに敗れた日本は本格的に朝鮮への進出を諦めます。それどころか「唐」が攻めてくるかもしれないのです。結局、新羅が寝返り、唐と戦争をしている間に、唐が滅んでしまいます。唐が攻め込んでくることはありませんが、このトラウマから脱出するために、日本は神の取り換えを行いました。天照大神への移行です。
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不敬? いや日本人には当然の感覚だった

神の取り換えをする。
これはとても不敬な感じがします。しかし日本人は日常的に似たようなことをしています。例えば門松です。門松を毎年正月に飾るのは、そこに神を降ろすからです。門松に降ろす神は「歳神(トシガミ)」です。厳密には「オオトシガミ」「オトシガミ」と呼びますが、ようは「年」を司る神様ってことです。

なぜ毎年門松を立てるのか? 一生に一回でいいのではないでしょうか? なぜ神を毎年、降ろすのでしょうか?

それは神が疲弊するからです。
神の魔力・霊力は時間とともに弱まり、最後には居なくなったり、消えてしまったり、どこかに行ってしまったり、もしくは死んでしまいます。
だから毎年新しく、力強く、幼くて若々しくてピチピチしてかわいい神様を降ろさなくてはいけません。

この考えはようは「季節」と「農業」に基づいています。植物の成長を「神の霊力」のなせるものと考えた日本人は、春にやってきた神が夏に育ち、秋に実ると、冬には死んでしまうと考えました。だからまた春に新しい神を呼び寄せる必要がありました。
ただし現在では門松の本来の意味を知って立てている人は少ない。だから門松を持って理解をするのは厳しいが、本来はそういう意味を持っていた。
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日本人にとっては神の取り換えは日常

だから神の取り換えはまったくもって「普通」のことでした。日本人にとっては日常的なことだったのです。日本人にとって不変なものはありません。それは神も例外ではありませんでした。

時代に合わせて強い神を求める。

いや、日本人は「幼い」ものほど魔力が強いと考えていましたので、天照大神という当時はまだ弱い神こそが適していると考えたのではないか?と思っています。
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