第十段一書(一)−2玄櫛が五百箇竹林に

MENU
TOP>日本書紀神代下>第十段一書(一)−2玄櫛が五百箇竹林に
スポンサードリンク

第十段一書(一)−2玄櫛が五百箇竹林に

TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket

原文

時有一長老、忽然而至、自稱鹽土老翁、乃問之曰「君是誰者。何故患於此處乎。」彦火火出見尊、具言其事。老翁卽取嚢中玄櫛投地、則化成五百箇竹林。因取其竹、作大目麁籠、內火火出見尊於籠中、投之于海。一云、以無目堅間爲浮木、以細繩繋著火火出見尊、而沈之。所謂堅間、是今之竹籠也。

現代語訳

第十段一書(一)−2
そのとき、長老(オキナ)がいて、いつのまにか現れました。その長老は自分から鹽土老翁(シオツチノオジ)と名乗りました。それで彦火火出見尊(ヒコホホデミ)に尋ねました。
「あなたは誰ですか??
どうしてここで悲しんでいるのですか??」
彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)はこれまでの経緯を詳細に話しました。老翁(オジ=シオツチオジ)は袋の中の玄櫛(クロクシ)を取り出し、地面に投げました。すると五百箇竹林(イツホタカハラ=鬱蒼とした竹林)に成りました。それでのその竹を採り、大目麁籠(オオマアラコ=目の粗い竹籠)を作って、火火出見尊(ホホデミノミコト)をカゴの中に入れて海に投げ入れました。
別の伝によると…
無目堅間(マナシカタマ)を造り、浮木(ウケキ=船)として、細縄(ホソナワ)で火火出見尊(ホホデミノミコト)を結びつけて、沈めました。堅間(カタマ)とは現在の竹籠のことです。
スポンサードリンク

解説

竹の籠
竹はアジアにしか無い、草でも木でもない「竹」という特殊な植物です。実は竹が草なのか木なのかは現在でも分かっていません。時期によっては一晩で2mも生育し、堅く、なおかつ、曲がり、加工も出来る。タケノコは食べられる。繁殖力旺盛。とにかく奇妙な植物です。

この竹の皮で様々なものを作る事が出来ました。しかし竹が少々頑丈とて、時間が経てば朽ちてしまいます。なので遺物としては残らないのです。だから、「竹の道具」は物語の中でしか語られません。それでも竹で作った道具は古代では非常に便利なものだったハズなのです。

鉄器と並んで竹細工は生活を良くする道具だったはずです。その最たるものが「籠」です。籠を編むと必然編み目は「亀の甲羅」の形になります。これが「浦島太郎」の「亀」に繋がると考えられています。
Pre<<<  >>>Next 
スポンサードリンク

SNSボタン

TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket

ページ一覧

スポンサードリンク

管理人リンク

編集