河に魚やスッポンが浮き上がって橋に(三国史記・高句麗本紀)

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河に魚やスッポンが浮き上がって橋に(三国史記・高句麗本紀)

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原文

王子及諸臣又謀殺之。朱蒙母陰知之、告曰「国人將害汝、以汝才略、何往而不可、與其遲留而受辱、不若遠適以有爲」
朱蒙乃與烏伊、摩離、陜父等三人爲友、行至淹水(一名盖斯水、在今鴨東北)。欲渡無梁、恐爲追兵所迫、告水曰「我是天帝子。河伯外孫。今日逃走、追者垂及如何」於是、魚鼈浮出成橋、朱蒙得渡。魚鼈乃解、追騎不得渡。

現代語訳

三国史記・高句麗本紀
天帝の子の解慕漱(カイボソ)と河伯の娘(三国史記・高句麗本紀)の続き
金蛙王の王子と部下はまた朱蒙を殺そうと考えました。
朱蒙の母がこのことを知り、朱蒙に言いました。
「この国の人はお前を殺そうとしています。
能力があり追い落とされるのを恐れているのだから、お前が出て行くのを駄目だとは言わないでしょう。もしも、このまま留まれば辱めを受ける事に成るでしょう」

朱蒙は烏伊、摩離、陜父という三人の友達と共に淹水(エンスイ)に行きました。別名を盖斯水(エンガシスイ)と言います。現在の鴨緑江の東北にあります。ところが、河を渡る橋がありません。
追っ手が来るかもしれないと恐れて朱蒙が
「私は天帝の子、河伯(=河の神)の外孫だ!
今日、逃げて来た。
追っ手の兵がそこまで来ているのだ!
どうするのだ!」
すると河に魚やスッポンが浮き上がって橋になりました。

朱蒙が渡りきると、魚やスッポンはバラバラになり、追っ手は渡れませんでした。
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解説

河の神の加護
朱蒙の母の柳花は河伯の娘です。河伯とは河の神のこと。よって朱蒙は河の神の加護を受けることができるわけです。その具体的な加護が「魚」「スッポン」の手助けです。

そして天帝の子。
天帝は「天が認めた帝」です。
皇帝とか天皇といった存在は「天の神」によって「帝」の地位を授けられている…という設定となっています。
よって天帝の子が河伯の娘と結ばれて出来た子供というのは「天の加護」と「河の加護」を受ける存在です。

これは日本の神話も構造が似ています。日本の場合はアマテラスの子孫+大山祇神(オオヤマヅミ)の子孫+海神の子孫といった具合に「天」「山」「海」です。こういった多種族との婚姻はメルシナ型神話といいます。参考:「豊玉姫の出産とメルシナ型神話
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