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綏靖天皇(三)神八井耳命は皇位を弟に譲る
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因相隨進入、神渟名川耳尊、突開其戸。神八井耳命、則手脚戰慄、不能放矢。時神渟名川耳尊、掣取其兄所持弓矢而射手硏耳命、一發中胸、再發中背、遂殺之。於是、神八井耳命、懣然自服、讓於神渟名川耳尊曰「吾是乃兄、而懦弱不能致果。今汝特挺神武、自誅元惡。宜哉乎、汝之光臨天位、以承皇祖之業。吾當爲汝輔之、奉典神祇者。」是卽多臣之始祖也。
現代語訳
二人は協力して小屋に入りました。神渟名川耳尊(カムヌナカワミミノミコト)は扉を突いて開きました。神八井耳命(カムヤイミミノミコト)は手足が戦慄(フルイオノノキ)して矢を射ることが出来ませんでした。神渟名川耳尊(カムヌナカワミミノミコト)はその兄の持っていた弓矢を引き抜いて取り、手硏耳命(タギシノミミノミコト)を射ました。一発で胸に当たりました。もう一発、射つと背中に当たり、ついに殺しました。
これで神八井耳命(カムヤイミミノミコト)は自分の非(=射ち殺せなかった事)を恥ずかしく想い、神渟名川耳尊(カムヌナカワミミノミコト)に皇位を譲って言いました。
「私は兄ではあるが、未熟で弱く、不能致果(イシキナ=良い結果は出ない)いだろう。今、あなた(=ヌナカワミミ)は優れて神武(アヤシクタケシ)がある。私は悪い所がある。あなたが天位(タカミクラ=皇位)について、皇祖(ミオヤ)の業(ツギテ=継ぐこと=天皇の仕事)を受けるのはもっともなことだ。わたしはあなたの助けとなって、神祇(アマツヤシロクニヤツシロ)を司り祀りましょう」
神八井耳命(カムヤイミミノミコト)は多臣(オオオミ=大和国十市飫富郷…現在の奈良県磯城郡城田原本町多の氏族)の始祖です。
これで神八井耳命(カムヤイミミノミコト)は自分の非(=射ち殺せなかった事)を恥ずかしく想い、神渟名川耳尊(カムヌナカワミミノミコト)に皇位を譲って言いました。
「私は兄ではあるが、未熟で弱く、不能致果(イシキナ=良い結果は出ない)いだろう。今、あなた(=ヌナカワミミ)は優れて神武(アヤシクタケシ)がある。私は悪い所がある。あなたが天位(タカミクラ=皇位)について、皇祖(ミオヤ)の業(ツギテ=継ぐこと=天皇の仕事)を受けるのはもっともなことだ。わたしはあなたの助けとなって、神祇(アマツヤシロクニヤツシロ)を司り祀りましょう」
神八井耳命(カムヤイミミノミコト)は多臣(オオオミ=大和国十市飫富郷…現在の奈良県磯城郡城田原本町多の氏族)の始祖です。
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解説
弟が継ぐ
よく天皇家は末子相続だ、という話があって、末子相続は漁師や海洋民族の風習なので、天皇家は元々は海洋民族だ。という話があるのですが、その反対に「全員が末子ではないよ」という突っ込みがあるのです。でも記紀を読むと、どう考えても「弟」が優遇されているのですよね。いつか表にしたい。
よく天皇家は末子相続だ、という話があって、末子相続は漁師や海洋民族の風習なので、天皇家は元々は海洋民族だ。という話があるのですが、その反対に「全員が末子ではないよ」という突っ込みがあるのです。でも記紀を読むと、どう考えても「弟」が優遇されているのですよね。いつか表にしたい。
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綏靖天皇~開化天皇(日本書紀)の表紙へ
- Page1 綏靖天皇(一)父の死後、手硏耳命の反逆の計画
- Page2 綏靖天皇(二)渟名川耳尊と神八井耳命の暗殺
- Page3 綏靖天皇(三)神八井耳命は皇位を弟に譲る
- Page4 綏靖天皇(四)婚姻と系譜
- Page5 安寧天皇(一)安寧天皇が皇太子となり皇位につくまで
- Page6 安寧天皇(二)即位後
- Page7 懿徳天皇(日本書紀)
- Page8 孝昭天皇(日本書紀)
- Page9 孝安天皇(日本書紀)
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