スポンサードリンク
天武天皇(八十七)皇祖御魂を祭る・百寮と宮人への過剰評価
TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket原文
五月己巳朔己卯、祭皇祖御魂。是日詔曰、凡百寮諸人、恭敬宮人過之甚也。或詣其門謁己之訟、或捧幣以媚於其家。自今以後、若有如此者隨事共罪之。甲午、高麗卯問、歸之。六月己亥朔癸卯、饗新羅客若弼於築紫、賜祿各有差。乙卯、雩之。壬戌、地震。
現代語訳
(即位10年)5月11日。皇祖(スメミオヤ)の御魂(ミタマ)を祭りました。この日に詔(ミコトノリ)して言いました。
「すべての百寮(ツカサツカサ=役人)の諸々の人たち、宮人(ミヤビト=宮廷の女官)を恭敬(イヤマウ=敬う)する様子があまりに過剰だ。ある者はその門に詣でて、自分の訴えを謁(アズラウ=訴えを聞いてもらおうと面会する)する。ある者は、幣(マイナイ=供物)を捧げてその家に媚び入ろうとする。今から以後、もしこのようなことがあれば、事実に基づいて罪に問う」
5月26日。高麗の卯問(モウモン)は帰りました。
6月5日。新羅の客人の若弼(ニャクヒツ)を筑紫で宴会をしてもてなしました。禄(モノ)を与え、それぞれに品がありました。
6月17日。雨乞いをしました。
6月24日。地震がありました。
「すべての百寮(ツカサツカサ=役人)の諸々の人たち、宮人(ミヤビト=宮廷の女官)を恭敬(イヤマウ=敬う)する様子があまりに過剰だ。ある者はその門に詣でて、自分の訴えを謁(アズラウ=訴えを聞いてもらおうと面会する)する。ある者は、幣(マイナイ=供物)を捧げてその家に媚び入ろうとする。今から以後、もしこのようなことがあれば、事実に基づいて罪に問う」
5月26日。高麗の卯問(モウモン)は帰りました。
6月5日。新羅の客人の若弼(ニャクヒツ)を筑紫で宴会をしてもてなしました。禄(モノ)を与え、それぞれに品がありました。
6月17日。雨乞いをしました。
6月24日。地震がありました。
スポンサードリンク
解説
皇祖の御魂
これが歴代の天皇を指すのか、それとも天武天皇の祖父の彦人大兄皇子とするのか、神武天皇とするのかは、分かりません。天照大神という見方もできるでしょう。
ただこれまでの日本書紀では皇祖というのはザックリとした先祖という意味なので、歴代の天皇と考えるのが妥当だと思います。
役人への過剰接待
古代でも問題になっていたんですねぇ。
まぁ実務を行う役人が実権を得やすいのはしょうがないのかも。
これが歴代の天皇を指すのか、それとも天武天皇の祖父の彦人大兄皇子とするのか、神武天皇とするのかは、分かりません。天照大神という見方もできるでしょう。
ただこれまでの日本書紀では皇祖というのはザックリとした先祖という意味なので、歴代の天皇と考えるのが妥当だと思います。
役人への過剰接待
古代でも問題になっていたんですねぇ。
まぁ実務を行う役人が実権を得やすいのはしょうがないのかも。
スポンサードリンク
SNSボタン
TWEET Facebook はてブ Google+ Pocketページ一覧
天武天皇(日本書紀29)の表紙へ
- Page52 天武天皇(八十三)向小殿と内安殿と外安殿の宴・天社地社の宮の修理
- Page53 天武天皇(八十四)律令と法式・草壁皇子尊の立太子
- Page54 天武天皇(八十五)帝紀と諸事を筆で記録・新宮の井上で鼓吹
- Page55 天武天皇(八十六)禁式九十二条・14人に姓を与える
- Page56 天武天皇(八十七)皇祖御魂を祭る・百寮と宮人への過剰評価
- Page57 天武天皇(八十八)大解除と祓柱の奴婢・皇后は誓願して大斎
- Page58 天武天皇(八十九)三韓人の調税免除・多禰嶋の地図と風俗
- Page59 天武天皇(九十)周芳国の赤亀・氏上を定めて理官へ
- Page60 天武天皇(九十一)金忠平と金壱世の献上品・広瀬野の検校と新羅王の死
スポンサードリンク