因幡の白兎の登場

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因幡の白兎の登場

漢字・読みイナバノシロウサギノトウジョウ
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原文

是に気多の前に到りし時、裸の菟伏せりき。爾に八十神、其の菟に謂ひけらく、「汝為むは、此の海塩を浴み、風の吹くに当りて、高山の尾の上に伏せれ。」といひき。故、其の菟、八十神の教に従ひて伏しき。

現代語訳

ケタ(気多)の前を通るときに、裸(=皮を剥がれた)のウサギが倒れていました。

兄弟神がそのウサギに言いました。

「傷を治すには、海水を浴びて、風に当たり、高い山の頂上に寝ていなさい」

ウサギは神が言うとおりにして、山の上に寝ました。

解説

なんて意地悪な。兄弟。
ケタの謎
ケタとは何か?という問題があります。実は出雲には白兎の伝説がありながら「白兎神社」がほとんど無く、むしろ北陸には沢山あります。また気多神社も出雲より北陸にあります。
そもそもケタというのが「地形」を表しているのか、地名であっても出雲ではないのか、分かりません。

ウサギは白いか?
わたしも白兎と書いていますが、古事記には「素ウサギ」と書いてあります。白いかどうかも書いてありません。まぁ、皮を剥がれているのに白いとか白くないとか、そういうことじゃないのですけど。
ところでウサギは白い、という思い込みがありますが、野うさぎは白くありません。そして古代の出雲に居たウサギは白くありませんでした。関東では白いウサギがいたようですが。
それを持って、因幡のウサギは白くなかった、かというと、そういうことでもなく、白は神聖な色であり、白兎は神の使い…なのかもしれません。後々、「兄弟神は結婚できないぞ」と予言するのも、その神聖さ故なのかもしれません。まぁ、このくらいは誰でも言いそうですけどね。
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