八十神

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八十神

漢字・読みヤソカミ
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概要

出雲神話の中でオオナムチ(=オオクニヌシ)をいじめぬいた後には逆に倒される神々。「八十」という数字は記紀の中では「たくさん」という意味で深い意味ではないとされます。
●「八百万の神」とニュアンスは同じでしょう。


八十神は古事記だけ
日本書紀には登場がありません。日本書紀は出雲の神話がかなりカットされていますので、登場が無いのですね。

物語・由来


八十神の物語
まず八十神はオオナムチの兄でした。彼らは全員で八上姫(ヤガミヒメ)に求婚しに行きます(兄弟達が国を譲った理由は……)。そのとき荷物持ちとしてついて来たのがオオナムチでした。

八十神は全身傷だらけのウサギに出会います。
ウサギに「傷を治すには、海水を浴びて、風に当たり、高い山の頂上に寝ていなさい」と、嘘の治療方法を教えて傷を悪化させてしまいます。(因幡の白兎の登場オオナムチとウサギの会話

オオナムチはその後、ウサギに正しい治療方法を教えて、傷を治してあげると(ガマの花粉でウサギの傷を癒す)、ウサギは「オオナムチがヤガミヒメを娶る」という予言をします(兎神といいます)。するとその通り、ヤガミヒメは八十神の求婚を断り、オオナムチを夫として選んでしまいます(ヤガミヒメの拒絶)。
それで怒った八十神はオオナムチを手間山の麓で火で焼いた石をイノシシだと偽って、オオナムチにぶつけて殺してしまいます(伯耆国の手間の山)。その後、オオナムチの母の嘆願によって生き返ったオオナムチは生き返ります(貝の女神が治療)。
すると八十神はオオナムチを山で木の罠に掛けて殺してしまいます(オオナムチ二度目の死)。しかし、これまた母の嘆願によって生き返ります(八十神に殺されてしまう)。

それでも八十神はオオナムチを殺そうと追いかけ、木の国(=紀伊国)のオオヤビコの元にオオナムチは逃げてきます(根の堅州国へ向かえ)。その後は根の国スサノオと出会い、スサノオの試練に耐えてスセリヒメを新たに娶って、地上に帰ると今度は八十神をやり返す(国を作った)、という物語です。

歴史背景

八十神の意味
八十神は出雲などの地域の小さな国を象徴しているという説もあります。小さな国が争いそこから大国主の国が頭角を現したという「史実」の反映というわけです。

古代の成人儀礼という説もあります。
日本では成人儀礼は単なる「成人式」になってしまいましたが、古代では成人になるために、何かしらの「試練」を課していました。バヌアツのバンジージャンプ、マサイ族のライオン狩りなどなど。

そういった一人の若者をいじめる「成年式」というものが古代にはあり、それを物語にしたのがこの八十神によるオオナムチいじめではないか?という説です。まずオオナムチは手間山でイノシシと嘘をつかれて焼いた石を受けめて死んでしまいます。古代では「イノシシ」は神の使いでした。イノシシに限らず山の獣は神、というのもあったでしょう。そういう成年式が古代にあったのかもしれません。

また木の罠で死んでしまうというのも、やはり同じように「木」を「山の神」とした考えから来ているのではないか、と思われます。
●オオナムチはこの後に、根の堅州国へ行き、そこでスサノオからまた試練を受けます。八十神の試練とスサノオの試練は同じ文化圏の別の成人儀礼なのかもしれません。
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