大祓いと罪悪

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大祓いと罪悪

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原文

ここに驚き懼ぢて、殯宮に坐せまつりて、更に国の大ぬさを取りて、生剥(イケハギ)・逆剥(サカハギ)・阿離(アハナチ)・溝埋(ミゾウメ)・屎戸(クソヘ)・上通下通婚(オヤコタハケ)・馬婚(ウマタハケ)・牛婚(ウシタハケ)・鶏婚(トリタハケ)・犬婚(イヌタハケ)の罪の類を種々求ぎて、国の大祓(オオハラエ)をして、また建内宿禰 沙庭に居て神の命を請ひき。

現代文訳

建内宿禰は驚きました。

そして仲哀天皇の遺体を、モガリの宮殿に移しました。

そこで国中から「ぬさ」を集めました。
「ぬさ」とは神に捧げる物品のことです。

その宮殿で、
生け剥ぎ…生きた獣の皮を剥ぐこと
逆か剥ぎ…尻尾から獣の皮を剥ぐこと
畦離(アハナチ)…田んぼの畦を壊すこと
屎戸(クソヘ)…聖なる神殿にウンコを撒き散らすこと
上通下通婚(オヤコタワケ)…親子間の近親相姦
馬婚(ウマタワケ)…馬との獣姦
牛婚(ウシタワケ)…牛との獣姦
鶏婚(トリタワケ)…鶏との獣姦
犬婚(イヌタワケ)…犬との獣姦

の罪を集めて、ケガレを払う儀式を行いました。

そしてまた、建内宿禰が沙庭で神の言葉を受けました。
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解説

天皇が死ぬと、モガリを行います。モガリとは遺体を安置しておき、腐って骨になるのを遺族が「見る」というもの。遺体が完全に白骨化するまで、定期的に見に行きます。これが現在の通夜や初七日とか49日の元だ、という説があります。多分そうでしょう。仏教にそんな儀式ないですから。

それで、死と同時に国中の「罪」、つまり「ケガレ」をまとめて「祓い」ます。そこで集められた罪が、現代文訳に並べられたもの。

しかし、この罪、見覚えがある。

生け剥ぎ、畦離(アハナチ)、屎戸(クソヘ)…このあたりはスサノオ誓約に勝った後に調子に乗ってやっちまった「乱暴狼藉」そのもの。これはスサノオが「罪」を追っているということ。そして、罪を犯したスサノオが、当時、日の沈む死の国とされた「出雲」へと降りることと何か関係があるのかもしれません。

個人的コラム

タワケ
もしかして馬鹿者を表す「タワケ」ってここから? 田んぼを分けると子々孫々を経るたびに家督の「土地」が小さくなるから、「田んぼを分けるやつはバカ」から「タワケ」という言葉あるんだ、って聞いていたんですが、「タワケ」って「変態=アホ」みたいな意味なんじゃないかなぁ、もしかして。

後々に田んぼの話と融合してしまっただけで。ようは駄洒落で。ありうるなぁ。
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