第十弾本文−2高垣姫垣が整い、高楼小殿が照り輝く

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第十弾本文−2高垣姫垣が整い、高楼小殿が照り輝く

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現代語訳

第十弾本文−2
山幸彦(=ヒコホホデミ)はカゴを捨てて、行くと海神(ワダツミ)の宮殿に到着しました。その宮殿は雉堞(タカガキヒメガキ=高垣姫垣)が整い、高楼小殿が照り輝いていました。
高垣姫垣の「垣」は宮殿を取り囲む敷居、姫は「小さい」を表す言葉。よって「大小さまざまな垣に覆われた、という意味。臺宇(タカドノ)は、高い建物のこと。高楼小殿と訳したのは、「高垣姫垣」を受けての意訳。

その門の前にひとつの泉がありました。
泉のほとりに一つの湯津杜(ユツカツラ)の樹がありました。
その枝・葉はとても茂っていました。
彦火火出見尊(ヒコホホデミ)はその樹の下に行って、ウロウロとしていました。
しばらくすると、一人の少女が扉を押し開いて出て来ました。
宝石で出来たお椀を持っていて、それで泉の水を汲もうとしました。
それで見上げると、彦火火出見尊(ヒコホホデミ)を見つけました。
驚いて、宮殿に帰り、両親に言いました。
「一人の珍しい客人がいます。
門の前の樹の下にいます」
海神(ワダツミ)はここに八重に敷物を敷いて、宮殿内に彦火火出見尊(ヒコホホデミ)を招き入れました。
彦火火出見尊(ヒコホホデミ)が席について落ち着くと、ココに来た理由を尋ねました。彦火火出見尊(ヒコホホデミ)は事情の全てを答えました。海神(ワダツミ)は、すぐに大小の魚を集めて、問いました。魚たちは答えました。
「知りません」
ただ、赤女(アカメ)は最近の口の病気があって、その場に来てませんでした。
赤女は鯛魚(タイ)の名前です。

そこで赤女を呼び寄せて、口を探すと、失くした釣り針がありました。
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解説

湯津杜(ユツカツラ)
はカツラの樹のことです。中国では「桂の樹」は月の中にある理想を表しているとか。ただし中国では「桂」という字は「木犀(モクセイ)」という別の樹のことを指します。ここでのカツラが「桂」か「木犀」かは不明。ちなみに木犀は室町時代に日本に伝来し、奈良時代には日本には無いので、その理屈から言うとこの桂は日本に自生している方の「桂の木」となる。ただし、海幸山幸神話は東南アジアが源流の神話で、そこから海の交易路を伝って日本に来た神話と思われますら、その伝来の過程の中で「中国原産の木犀」が神話に混入した可能性もあります。
玉鋺
玉で出来た「椀」と訳しました。
玉は宝石、椀の篇が「鉄」なので、金属の器と考えるべきでしょう。それで、玉とは具体的には何を表すのか? 個人的には「ヒスイ」と思います。
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海神の宮殿は海の底か海の向こうか

竜宮城のように海の底にあると解釈する事が多いですが、文意から考えると、海の向こうではないか?と。海人族の神格化と考えた方がスッキリします。

個人的コラム

構造的にはオオナムチスサノオの居る根の堅州国へ行って試練を受けてスセリヒメを娶る話と同じではないか?と思います。

異界で妻を娶るという物語が古代の神話のステレオタイプということもあるでしょうが、東南アジアに類似の物語が残っているところを見ると、東南アジアから九州を通り出雲へと文化が伝播した、証拠…つまりヒコホホデミが海神の宮殿で妻を娶る物語は、オオナムチが根の堅州国でスセリヒメを娶る物語の「元ネタ」の可能性も。

原文

於是、棄籠遊行、忽至海神之宮。其宮也、雉堞整頓、臺宇玲瓏。門前有一井、井上有一湯津杜樹、枝葉扶疏。時彥火火出見尊、就其樹下、徒倚彷徨。良久有一美人、排闥而出、遂以玉鋺、來當汲水、因舉目視之、乃驚而還入、白其父母曰「有一希客者、在門前樹下。」海神、於是、鋪設八重席薦、以延內之。坐定、因問其來意、時彥火火出見尊、對以情之委曲。海神乃集大小之魚逼問之、僉曰「不識。唯赤女赤女、鯛魚名也比有口疾而不來。」固召之探其口者、果得失鉤。
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