第九段一書(八)天照国照彦火明命

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第九段一書(八)天照国照彦火明命

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原文

一書曰、正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊、娶高皇産靈尊之女天萬栲幡千幡姫、爲妃而生兒、號天照国照彦火明命、是尾張連等遠祖也。次天饒石国饒石天津彦火瓊瓊杵尊、此神娶大山祇神女子木花開耶姫命、爲妃而生兒、號火酢芹命、次彦火火出見尊。

現代語訳

第九段一書(八)
ある書によると…
正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミミコト)は高皇産靈尊(タカミムスビミコト)の娘の天萬栲幡千幡姫(アマヨロズタクハタチハタヒメ)を娶って妃として生んだ子が天照国照彦火明命(アマテルクニテルヒコホノアカリノイコト)といいます。

この神が尾張連(オワリノムラジ)の娘の木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメミコト)を妃として生んだ子は、火酢芹命(ホノスセリノミコト)と言います。次に生んだ子が彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)です。
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解説

火明命は太陽神
オシホミミがタクハタチハタヒメを娶って生んだ子が「天照国照彦火明命(アマテルクニテルヒコヒアカリノミコト)」。
どうやらこの火明命は太陽神だったよう。つまり「火」は「日」を意味しているのでしょう。まぁ、大和言葉には「漢字」は無く、漢字の意味に合わせて当てたのが「訓読み」ですから、古代の日本人に「火」と「日」の区別は無かったのでしょう。「ヒ」という音は「火」と「日」の両方を指していた。指しているのは当たり前だった。

個人的コラム

太陽は二つは要らない
コノハナサクヤヒメ吾田鹿葦津姫)が生んだのは「火」にまつわる神でした。でも、本来は「火」と「日」の区別は無かったのでしょう。「ヒ」だったんです。だからコノハナサクヤヒメが生んだ子は「太陽」も意味していた。
●女性から「火」が生まれるという感覚はイザナミカグツチ出産から見ても古代の感覚としてあったよう。
●火をつけた小屋で出産するという寓話は火から太陽(日)が生まれるという神話だった??と推測。
●火をつけた小屋で出産すること、女性が火を生むこと、このとき生まれた神が「太陽神」を意味していることは、どれも矛盾しない。
●東南アジアには出産時に妊婦の近くで火を焚く習慣があった。それがこの神話に反映されているのではないかとも言われます。出産は神聖なもので、創世と結びつきます。イザナギイザナミが島と神を生む経緯も同様です。

もしかすると「太陽神の要素」は恣意的に削られたのかもしれない、と思います。アマテラスの太陽神の要素を強くするためです。
日向では稲作より経済の主は「交易」でした。海運業です。大和にとっては稲作が主です。稲が保存が利くので通貨の代わりに「税」として徴収することが出来ました。その稲にとって大事なのは光合成のための「太陽」です。
しかし交易が主な日向では太陽の意味が違います。太陽は「方角を示す」ものです。もしくは「明るく照らす」ものです。コノハナサクヤヒメが生んだ「火の三兄弟」は朝・昼・夕の太陽を指しているのでしょう。
●もしくは金星という可能性も

大和朝廷は古事記編纂時に中央集権を目指していた。そこで「太陽」を皇祖にすえた。そして地域に根ざしていた「太陽神」から「太陽の要素」を抜いた、その結果が火明命・「火の三兄弟」・ニギハヤヒ・カチハヤヒということではないか???とも。

古事記ではうまく太陽神の要素を抜いたが、日本書紀では残骸が残った????のかな、と。
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