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用明天皇(五)三輪君逆の逃避行
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於是、穴穗部皇子陰謀王天下之事而口詐在於殺逆君、遂與物部守屋大連率兵、圍繞磐余池邊。逆君、知之、隱於三諸之岳。是日夜半、潛自山出隱於後宮。(謂炊屋姫皇后之別業。是名海石榴市宮也)。逆之同姓、白堤與横山、言逆君在處。穴穗部皇子卽遣守屋大連(或本云、穴穗部皇子與泊瀬部皇子、相計而遣守屋大連)曰「汝、應往討逆君幷其二子。」大連遂率兵去。
現代語訳
穴穂部皇子は密かに天下の王になろうと策謀して、嘘をついて逆君(サカフノキミ)を殺そうとしていました。物部守屋大連(モノノベモリヤオオムラジ)と兵を率いて、磐余(イワレ)の池辺(イケノヘ=用明天皇の宮がある土地)を囲みました。逆君はそれを知って、三諸丘(ミモロノオカ=三輪山=三輪君の本拠地)に隠れました。この日の夜中に、ひそかに山から出て、後宮(キサキノミヤ)に隠れました。
逆(サカフ)の同姓(ウガラ)の白堤(シロツツミ=人名)と横山(ヨコヤマ)とが逆君がいる所を言いました。穴穂部皇子はすぐに守屋大連を派遣して…
言いました。
「お前、逆君と、その二人の子を殺せ」
炊屋姫皇后(カシキヤヒメノキサキ=推古天皇)の別荘です。これを海石榴市宮(ツバキイチノミヤ)と名付いています。
逆(サカフ)の同姓(ウガラ)の白堤(シロツツミ=人名)と横山(ヨコヤマ)とが逆君がいる所を言いました。穴穂部皇子はすぐに守屋大連を派遣して…
ある本によると、穴穂部皇子と泊瀬部皇子(ハツセベノミコ=崇峻天皇)が計画して守屋大連を派遣したといいます。
言いました。
「お前、逆君と、その二人の子を殺せ」
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解説
穴穂部皇子はもしや?
穴穂部皇子は敏達天皇が亡くなったときも「死んだ王を敬って、生きている王である自分を敬わないのはおかしい!」と言っています。まぁ、後世の演出もありましょうがね。
敏達天皇の皇后にである後の推古天皇を襲ったのは、天皇位につくためには皇女を皇后にしないといけなかったからでしょう。今はそれに失敗した。今度はどうするか。
もしかして次は用明天皇の皇后である穴穂部間人皇女を狙ったんじゃないでしょうか。穴穂部皇子から見ると「同母姉」ですけどね。
穴穂部皇子は敏達天皇が亡くなったときも「死んだ王を敬って、生きている王である自分を敬わないのはおかしい!」と言っています。まぁ、後世の演出もありましょうがね。
敏達天皇の皇后にである後の推古天皇を襲ったのは、天皇位につくためには皇女を皇后にしないといけなかったからでしょう。今はそれに失敗した。今度はどうするか。
もしかして次は用明天皇の皇后である穴穂部間人皇女を狙ったんじゃないでしょうか。穴穂部皇子から見ると「同母姉」ですけどね。
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用明天皇(日本書紀)の表紙へ
- Page1 用明天皇(一)出自
- Page2 用明天皇(二)即位・酢香手姫皇女を伊勢神宮へ仕えさせる
- Page3 用明天皇(三)皇后と子息子女
- Page4 用明天皇(四)穴穂部皇子は殯宮で炊屋姫皇后を襲う
- Page5 用明天皇(五)三輪君逆の逃避行
- Page6 用明天皇(六)馬子は穴穂部皇子を諌める・王たる者は刑人に近づけません
- Page7 用明天皇(七)三宝を敬う・穴穂部皇子は豊国法師を率いて
- Page8 用明天皇(八)阿都へ退く守屋・槻曲に籠もる馬子
- Page9 用明天皇(九)南淵の坂田寺の木の丈六仏像と狭寺の菩薩・崩御
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