葦原色許男と謂ふぞ

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葦原色許男と謂ふぞ

漢字・読みアシハラシコオ
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原文

爾に其の大神出で見て、「此は葦原色許男と謂ふぞ。」と告りたまひて、即ち喚び入れて、其の蛇の室に寝しめたまひき。

現代語訳

大神(=スサノオのこと)は御殿を出て見て、
「あれは葦原色許男(アシハラシコオ)というぞ!」
と言いました。
すぐにオオナムチを御殿に呼び入れて
蛇の部屋に寝かせました。

解説

スサノオはすでに知っている
スサノオ神様中の神様だからなのか、オオナムチのことを知っていて、「アシハラシコオ」だと言い放ちます。葦原は葦(アシ…植物)の生える場所、つまり日本のことを指し、シコオは「強い男」という意味の「醜男」です。つまり日本の強い男――ネーミングがヤマトタケルと同じ構成ですね。
このアシハラシコオという名前はもしかすると、「日本男児」くらいのかなり雑な名前なのかもしれません。
いきなり蛇の部屋?
オオナムチを見るやスサノオは蛇の部屋に招き入れます。招き入れるというよりは蛇が居る部屋に監禁です。これは、古代の成人儀礼を物語りにしたものではないかと言われています。もしくは結婚儀礼。つまり、バンジージャンプ(もともとはアフリカ部族の成人儀礼)みたいなものです。これをクリアしたら大人の仲間入り、というやつです。この蛇の後にムカデと蜂の居る部屋に寝かされる災難が発生します。

大人になるって大変だ。
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