肥長比売(ヒナガヒメ)

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肥長比売

投稿日時:2017-07-06 00:10:46
漢字・読みヒナガヒメ
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肥長比売(ヒナガヒメ)

肥長比売(ヒナガヒメ)は古事記に登場する人物・神の名前。
女性。
正体は蛇。
品牟都和気命と一夜を共にした女性。
ただし、正体が蛇だとバレて品牟都和気命には逃げられた。なので品牟都和気命を追いかけた。

物語・由来

出雲の物語
垂仁天皇(11代)の皇子の品牟都和気命は生まれながらに口が聞けず、その原因が出雲の大神の祟りであることを突き止め、出雲に参拝に向かいます。参拝し、その帰りに肥河(斐伊川)に滞在した後に差し込まれた話になっています。
肥河(斐伊川)の滞在で言葉を取り戻した品牟都和気命はそれでか、なんなのか、「肥長比売(ヒナガヒメ)と一夜を共に」します。ところが、姫は蛇でした。
追いかける肥長比売(ヒナガヒメ)。
逃げる品牟都和気命。

そんなお話が古事記にはあります。
前のお話の経緯から考えると出雲での出来事であり、「肥長」とあることから「肥河(斐伊川)」にまつわる神話でしょう。肥長比売(ヒナガヒメ)は素直に考えて「肥河」の神格化です。川のうねりを蛇や龍になぞらえるのは、ヤマタノオロチでも同様です。自然物が神であり、その神と結ばれるわけです。
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類似の物語

肥長比売と結ばれるのですが、正体を知って品牟都和気命は逃げた。この神話、類似のものがいくつかあります。一つはイザナギイザナミ黄泉国の追いかけっこです。

他にも山幸彦と豊玉姫の物語にも似ています。

他には三輪型神話と呼ばれるものです。

これらの神話の共通点は「男女のうち片方が約束を破って、男女が別れる」というもの。別れの時に、黄泉の国と現世が別れたり、陸と海が別れるなど、世界の成り立ちに関わります。三輪山説話では、この物語が「ミワ」の地名の由来となっています(これが他の神話と同列にしていいのかはなんとも分からないが、個人的には三輪山説話にもそういう「世界の成り立ち」という性質があったのではないかなと思う)。
私は肥長比売の神話も本来は似たような「世界の成り立ち」を表して出雲・斐伊川の神話だったのではないかと思います。三輪山説話の「女版」って意味もあるでしょう。
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物語の復元

かなり削られていますが、それらを復元するとこんな話になるはずです。
ホムツワケは川の女神ヒナガヒメと愛し合い、一夜を共にすることになった。古代では神と結ばれて生まれた子供が権力者になるのです。しかし、昼間は布で顔を隠していて、夜中も灯りのない場所で愛し合うわけですから、顔を知ることができません。こんだけ愛しているのですから、顔は見たい。そこで、ホムツワケは一戦交えた後、ヒナガヒメが寝ている間に、こっそりと灯りをつけて顔を覗いたのです。すると、そこにいたのは蛇女でした。
「ぎゃー!」
あまりのことに悲鳴をあげてホムツワケは逃げ出しました。
人間ではないと知ってはいたものの、現物を見るとびっくりしました。
二人が愛し合っていたのは斐伊川の途中の宮でした。海上神殿です。そこから船に乗ってホムツワケは逃げ出しました。ヒナガヒメは恥をかかされたことを怒って、追いかけてきます。ヒナガヒメは海上を照らし、どこかどこかと探してきます。
ホムツワケは命からがら、船を陸にあげてなんとか逃げ出しました。
それから、海と陸は簡単には行き来できなくなったのです。

なんてね。
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古事記からの引用

ヒナガヒメとホムチワケ御子
ホムチワケ御子は、肥長比売(ヒナガヒメ)と一夜を共にしました。

しかし、姫を覗いて見ると、蛇でした。

すぐに恐ろしくなって、逃げ出しました。するとヒナガヒメは悲しんで、海を照らして船で追いかけて来たのです。ますます恐ろしくなって山の凹んだところを船で越えて、やっとこさ、大和へ逃げ帰りました。
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