久久能智神(ククノチノカミ)

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ククノチ

漢字・読み久久能智神
別名句句廼馳
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概要

まとめ
●木の神のこと。
●対になっている神は無い。
●ククは「木々」のこととされる。
サカキは常緑樹のこと。ククノチは木のすべて。

物語・由来

古事記でも日本書紀でも、イザナギイザナミが生んだ神の1柱。「木」の神格化で、ちなみに「草」は「カヤノヒメ」です。カヤはススキのこと。
ククノチの「クク」は「木々」が転訛したものとも。

ところで吉備津彦神社(岡山市)の敷地内に「坂樹神社」というのがあって、その祭神が句々廼馳神(ククノチノカミ)なんですね。坂樹というのは「境目の木」で、「榊」のことでもあります。日本人は山に神がいると思っていました。山は特別な領域であり、その境目に立っていたのが「サカキ」とされました。これは冬になると里の植物がほとんど枯れてしまっているのに、山を見ると常緑樹があって、青々としているところがあり、それを見て、
「あぁ、あそこから神の領域だな」
と考えて、それで「常緑樹」を「境目の木」で、「サカキ」となったわけです。

ククノチはおそらく、常緑樹だけでなく、すべての「木」を表しているのだと思います。
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引用

風と山の神が産まれる
次の風の神の志那都比古神(シナツヒコノカミ)が産まれました。
次に木の神の久久能智神(ククノチノカミ)が産まれました。
次に山の神の大山津見神(オオヤマヅミノカミ)が産まれました。
次に野の神の鹿屋野比売神(カヤノヒメノカミ)が産まれました。
別名を野椎神(ノヅチノカミ)といいます。

第五段本文 神々を生む
イザナギイザナミは次に海を生みました。
次に山を生みました。
次に木の祖先となる句句廼馳(ククノチ)を生みました。
次に草の祖先となる草野姫(カヤノヒメ)を生みました。
別名を野槌といいます。

第五段一書(六)-1冥土めぐり
海の神の名前は少童命(ワタツミ)です。
山の神の名前は山祇(ヤマツミ)です。
水門(ミナト=港)の神の名前は速秋津日命(ハヤアキツヒ)です。
木の神の名前は句句廼馳(ククノチ)です。
土の神の名前は埴安神(ハニヤス)です。
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