山幸彦(ホオリ)が失くした釣り針は骨製

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山幸彦(ホオリ)が失くした釣り針は骨製

投稿日時:2017-07-05 10:09:04
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山幸彦(ホオリ)が失くした釣り針は骨製

まとめ
●山幸彦と海幸彦は道具を取り替えたが、山幸彦は借りた釣り針を紛失する。
●紛失した釣り針の代わりに山幸彦は剣を溶かして作り直して返すが断られる。
●山幸彦は3年後、海の中(魚の口の中)で釣り針を発見する。
●3年間、海の中で残っていた以上は海幸彦の釣り針は「骨製」だったと考えるべき。
●剣を溶かして返そうとした釣り針は「鉄製」。海幸彦が断ったのは「骨製出なかったから」ではないか。

山幸海幸と釣り針

天孫ニニギの子供である山幸彦・海幸彦は、それぞれが山と海で生活していました。猟師と漁師ですね。ある日、道具を取り替えてみることにしました。山幸彦は、海幸彦から借りた釣り針で釣りをするのですが、釣り針をなくしてしまいます。釣り針を失くしたことを知った海幸彦は激怒しました。釣り針を返せと迫ります。山幸彦は剣を溶かして釣り針を作るのですが、海幸彦は受け取りません。

困った山幸彦は海神の宮殿に行き、3年後に鯛の喉に刺さった釣り針を発見してそれを持って、地上に帰るという物語があります。
海神の宮殿以降の物語は相当端折っています。詳細は

を参考にしてください。
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海幸の釣り針は骨製

海幸彦の釣り針は、海の中で3年もの間、存在していたことになります。つまり塩水に浸かっていて劣化しないようなもの。少なくとも金属製ではない。骨製だったのでしょう。骨の道具こそが海で漁をするものにとって価値のあるものであり、鉄製のものは海で使うには劣化して都合が悪かった。
だから剣を溶かして作った釣り針は受け取らなかった。500個の鉄の釣り針より、骨の釣り針の方が価値があった…と考えていたのでしょう。

志賀海神社には鹿角堂があり、そこには大量の鹿の角が奉納されている。志賀海神社は海神の神社であり、何か関係があるのかもしれない。
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山と海

山幸彦・海幸彦の神話は「海の価値観」と「山の価値観」の衝突が一つのテーマなんじゃないかと個人的には思います。山の農作業で必須の鉄製農具も、海では錆びつくために使えない。海で使えるのは骨。鉄VS骨。しかし、この物語の勝利者が「山幸彦」であるのは、結局、人間の生活場所として選んだのは「山」であり「地上」であり、人間の生活を支えるのは、結果にブレのある漁ではなく、地上の農業だったってことでしょう。
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