古語拾遺8素神の追放

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古語拾遺8素神の追放

投稿日時:2018-05-02 16:57:05
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原文

當此之時 上天初晴 衆倶相見 面皆明白 伸手歌舞 相與稱曰 阿波禮 【言天晴也】 阿那於茂志呂 【古語 事之甚切 皆稱阿那 言衆面明白也】 阿那多能志 【言伸手而舞 今指樂事謂之多能志 此意也】 阿那佐夜憩 【竹葉之聲也】 飫憩 【木名也 振其葉之調也】 爾乃 二神倶請曰 勿復還幸 仍 歸罪過於素戔鳴神 而科之以千座置戸 令拔首髮及手足爪以贖之 仍 解除其罪 逐降焉

現代語訳

このとき、上天(アメ=空)は初めて晴れ渡り、神々の衆人たちはお互いに見合わせました。すると皆んなの面(=オモ=顔)が明るく白くなっていました。嬉しくなって手を伸ばして歌って舞いました。それでお互いに言い合いました。
「阿波禮(アワレ)!
言った意味合いは天晴(アマハレ)です。

阿那於茂志呂(アナオモシロ)!
古語では強く言う時に皆が「阿那(アナ)」と言います。意味合いは神々の顔が明るく白くなったって意味です。

「阿那多能志(アナタノシ)!」
言った意味は手を伸ばして踊る事です。現在、楽しいことを指して「多能志(タノシ)」と言うのはこの意味です。

「阿那佐夜憩(アナサヤケ)!」
竹葉(=ササハ=笹の葉)の声です。

飫憩(オケ)。
これは木の名前です。その葉っぱを振る音です。

そうしてすぐに二柱の神(太玉命と天児屋命)が共に言いました。
「もう帰らないように」
そしてその罪を素戔嗚神のものとして、これに科料して、千座(チクラ=たくさん)の置戸(オキト=台座)を納めさせ、頭の髪と手足の爪を抜かせて、あがなわせました。その罪を解除し、ついに追放しました。
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解説

面白い
古語拾遺によると、アマテラスが復帰して太陽が帰ってきたときに日光が降りそそいで顔が明るく白くなったことが「面白い」と言う言葉の語源だと言うわけです。
アワレ
アワレは天晴が語源だと言うわけです。
楽しい
楽しいは手を伸ばすことが語源だというのですね。
サヤケ
サヤケは清らかと言う意味。しかし、古語拾遺ではサヤケは竹葉の声だと言うわけです。どちらが本来かは分からないが、ニュアンスとしては近いのではないかと。
オケ
古語拾遺によるとオケは木の名前であり、その木の葉っぱを振る時の音でもあると。ちなみに顕宗天皇・仁賢天皇は本来の名前は「オケ・ヲケ」の天皇の兄弟です。
科料
スサノオに罰金を科したあと、なんと高天原から追放される。科料とは別に髪・手足の爪を取られているのですが、この髪と爪をとっておく事で、この髪と爪に呪いをかける事で離れていても罰を与えることができるからではないかと思われます。
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