古語拾遺7日神の出現

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古語拾遺7日神の出現

投稿日時:2018-04-22 20:46:20
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原文

於是 從思兼神議 令石凝姥神鑄日像之鏡 初度所鑄 少不合意 【是 紀伊国日前神也】 次度所鑄 其状美麗 【是 伊勢大神也】 儲備既畢 具如所謀 爾乃 太玉命 以廣厚稱詞啓曰 吾之所捧寶鏡明麗 恰如汝命 乞 開戸而御覽焉 仍 太玉命天兒屋命 共致其祈焉 于時 天照大神 中心獨謂 比吾幽居 天下悉闇 群神何由如此之歌樂 聊開戸而窺之 爰 令天手力雄神引啓其扉 遷座新殿 則 天兒屋命太玉命 以日御綱 【今 斯利久迷繩 是 日影之像也】 迴懸其殿 令大宮賣神侍於御前 【是 太玉命 久志備所生神 如今世内侍善言美詞 和君臣間 令宸襟悅懌也】 令豊磐間戸命櫛磐間戸命二神守衛殿門 【是 並太玉命之子也】
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現代語訳

思兼神の作戦に従って、石凝姥神(イシコリドメノカミ)に、太陽の像の鏡を鋳造させました。最初に鋳造したのはいささか本意に叶いませんでした。
この失敗した鏡は紀伊国の日前神(ヒノクマノカミ)です。

次に鋳造したのは形状が美麗でした。
この鏡が伊勢大神です。

(鏡を)設けて準備することがすっかりと終わって、詳細に作戦通りにしました。それで太玉命(フトタマノミコト)は広く厚い称詞(タタエゴト)を述べました。
「私が捧げた宝の鏡は明らかで美麗です。まるであなたの命(=アマテラスの事)のようです。さぁ!戸を開いてその姿を見せてください」
と言いました。すると太玉命・天児屋命は一緒にその祈祷をしました。そのとき、天照大神は、その心の中で思いました。
「私が篭ってしまって、天下は全て暗闇となり、群神(カミガミ)はどうして、このように歌を歌って楽しんでいるのか??」
と思いまして、戸を少しばかり開いて見ました。すると天手力雄神(アメノタヂカラオノカミ)にその扉を引き開けさせ、新殿(ニイミヤ=新嘗のための神殿)に移動させました。すぐに天児屋命・太玉命は日御綱(ヒノミツナ)…
現在は斯利久迷繩(シリクメナワ)と言います。これが日影の像(カタチ)です。

で、その殿(ミヤ)に掛けて、大宮売神(オオミヤノメノカミ=宮に仕える女神)を御前(ミマエ=アマテラスの前)に仕えさせました。
これ太玉命の久志備(クシビ=奇し霊=霊力)に産ませた神です。今の世で内侍(ナイシ=天皇の世話をする女官)の善言(ヨキコトバ)・美詞(ウルワシキコトバ)で君と臣との間を和らげて、宸襟(=ミココロ=天皇のこころ)を喜ばせてるようなものです。

豊磐間戸命(トヨイワマトノミコト)・櫛磐間戸命(クシイワマトノミコト)の2柱の神に神殿の門を守らせました。
これらは皆、太玉命の子です。
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解説

失敗作が紀伊国の日前神
石凝姥神(イシコリドメノカミ)が作った鏡の最初の失敗作が紀伊国の日前神だという。イザナギイザナミが生んだ最初の神は「ヒルコ」が失敗作として海に流されたのと同じでしょうね。
日御綱
作戦が成功してアマテラスは復活。太陽が帰ってくると、岩屋戸に綱をかけてアマテラスがもう岩戸に篭れないようにしました。その綱が日御綱で、古語では斯利久迷繩(シルクメナワ=今のしめ縄)、そして「日影の像」だと言うわけです。日影の像はなんだというと、鏡が「日の像」であるならば、綱が「日影の像」って事ですね。綱は当然「境界」という性質でもあるんですが、日影の象徴でもあると。
神殿
アマテラスはすぐに神殿に入れられ、大宮売神を仕えさせた。それが天皇と臣下との間に内侍が入って、揉め事を避けるのと同じだというのですね。ってことは、天皇(神)→内侍(女神)→臣(氏族)という図式があったと。で、大宮売神は斎部氏の先祖の天太玉命の子供だと。
天太玉の子供
豊磐間戸命(トヨイワマトノミコト)・櫛磐間戸命(クシイワマトノミコト)も天太玉の子供だと。斎部氏はかなり朝廷の運営に本来は強く関わる氏族だと言いたいわけです。
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