その人は岩を押し分けて

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その人は岩を押し分けて

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原文

即ちその山に入りたまへば、また尾生ひたる人に遇ひたまひき。この人、巌を押し分けて出で来たりき。ここに「汝は誰ぞ」と問ひたまへば、「僕は国つ神、名は石押分之子と謂ふ。今、天つ神の御子幸行すと聞きし故、参向へつるのみ」と答へ白しき。

現代語訳

イワレビコが山に入ると、
また尾のある人に会いました。

その人は岩を押し分けて出てきました。

「あなたは誰ですか?」
とたずねると

「わたしは国津神です。
名前は石押分之子(イワオシワクノコ)といいます。
今、天津神の御子が来たと聞きまして
参上しました」
と答えました。
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解説

岩を押し分けて出てきたから、「石押分之子(イワオシワクノコ)」なんて、あまりに安直。これだけではイワオシワクノコの性質は分かりませんが、ここまで吉野に登場した国津神が川にいた「贄持之子(ニヘモツノコ)」と、泉にいた「井氷鹿(ヰヒカ・イヒカ)」と、水に関わっているので、石押分之子(イワオシワクノコ)も水神と考えた方がいいのではないかと。

となると石押分之子(イワオシワクノコ)は岩の間から出てくる「岩清水」を神格化したものか、岩清水を管理している氏族のことでしょう。つまり「飲み水」です。

贄持之子(ニヘモツノコ)は川で魚を取る。
井氷鹿(ヰヒカ・イヒカ)は泉…つまり農業と生活用水。
石押分之子(イワオシワクノコ)は飲料水。

と水の性質を三つの側面で表現したのが吉野の国津神だと考える方が自然でしょう。

個人的コラム

石押分之子(イワオシワクノコ)
石押分之子(イワオシワクノコ)はもしかすると名前の通りに、石を割り、トンネルでも作る技術を持った氏族、ってこともありうると思っています。
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