高天原から八咫烏を遣わせよう

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高天原から八咫烏を遣わせよう

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原文

ここにまた高木大神の命以ちて、覚して白したまはく、「天つ神の御子を、これより奥つ方に、な入り幸さしめそ。荒ぶる神いと多となり、今、天より八咫烏を遣はさむ。かれ、その八咫烏引道きなむ。その立たむ後より幸行すべし」とまをしたまひき。

現代語訳

タカギ大神が教えるには
天津神の皇子をこれより奥へと入らせてはいけない。
あらぶる神が非常に多い。
今、高天原からヤタガラス(八咫烏)を遣わせよう。
ヤタガラスが道案内をする。
その飛び立つあとを付いて行きなさい」
と言いました。
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解説

これまではタカクラジフツノミタマ剣が降ってくる夢の話をしていました。この段もタカクラジが夢で聞いたお告げを、イワレビコに伝えています。

しかし、タカクラジは形式上「単なる床の高い倉の管理人」程度になっていますが、やっていることは、「神官」です。夢のお告げ、剣をさずかり、イワレビコのピンチを救い、剣を引き渡し、ヤタガラスのお告げを伝える――それに神社の原型は米蔵。

古事記の中で神の言葉を受けるのは「巫女さん」です。推古天皇移行続く、女性天皇の頻出。古代の日本が女性上位であったとしても、この古事記編纂時期の女性上位具合は突出しています。何があったのでしょうか??

神宮皇后の三韓征伐について、長い間「嘘」、もしくは白村江の戦いでの敗北への劣等感(コンプレックス)の裏返しと言われてきましたが、韓国南部に日本オリジナルの「前方後円墳」があったこと(韓国のものは5世紀、日本は3世紀から存在)、中国史書・朝鮮史書(三国史記・三国遺記など)・碑文などから、朝鮮半島に非常に強い影響があった――また領地もあった――というのが常識になりました(朝鮮半島の人は認めないのですが)。

神宮皇后のモデルとなった女性が実在し、この朝鮮半島への進出を果たしたからではないかと、思っています。その功績が女性天皇に繋がったのではないでしょうか?? イギリスで女王のときに繁栄するというジンクスがあるようなものです。

タカクラジは本当は神官だったのに、男の神官を嫌って、倉の管理人程度に格下げしたのではないか?? なんて勘繰りをしてしまいます。

個人的コラム

熊野は特別な土地だった
この高木神のセリフを読む限り、「熊野は強い神がいる」ということで、それはつまり「熊野は神聖な土地」という意味になります。現在こそ、熊野三山で仏教と習合し神聖な土地になっているんですが、それは仏教習合後の話で、このころはどうかというと。古事記を読む限り、やはり特別な何かがあった、少なくともそう考えていた、と見ていいと思います。
ヤタガラスは三本足ではない
古事記にも日本書紀にも三本足の記述はないです。
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