自分の代わりに刀を降ろして解決

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自分の代わりに刀を降ろして解決

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原文

ここに答へて白さく、『僕は降らずとも、専らその国を平けし横刀あれば、この刀を降すべし』とまをしき。この刀の名は佐士布都神と云ひ、亦の名は甕布都神と云ひ、亦の名は布都御魂と云ふ。この刀は石上神宮に坐す。

現代語訳

アマテラスの問いにタケミカヅチが)
答えました。
『わたしが降りなくても、
その国(日本)を平定した刀があれば、大丈夫です。
この刀を下ろしましょう』

この刀の名前は佐士布都神(サジフツ神)といいます。
別名を甕布都神(ミカフツ神)。
別名を布都御魂(フツノミタマ)といいます。
この刀は石上神宮にあります。
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解説

まだタカクラジが見た夢の説明セリフの続きです。

アマテラスの要請に対して
「わたしが地上に降りなくても、前回平定したときに使った剣があります。それを降ろせば大丈夫ですよ」
と答えるところまでです。
フツは剣が空気を切る音
フツノミタマ剣の名前には別名にもすべて「フツ」があります。これは剣が空気を切る「フ」っという音です。
またもや、自分は降りないのだ!
タケミカヅチが登場するのは二回目。前回はオオクニヌシの国譲りのところでした。国譲り編でタケミカヅチが活躍するので、その鮮やかさが心に残ってしまいがちですが、実はタケミカヅチも父アメノオハバリに「譲られた」くちなのです。
参考:タケミカズチの方が適任
前回はアメノオハバリ→タケミカヅチ
今回はタケミカヅチ→フツノミタマ
という具合に、毎回頼まれた神ではなく、頼まれた神が紹介した神が地上に降りるわけです。

天孫降臨でも同じ構図があります。
アメノオシホミミニニギ
です。

個人的コラム

刀は魔を払う
刀は魔を払う。今回は病気を払いました。それで神武天皇一行を救いましたが、本来は穀物などの食料から魔を払っていたのではないかと。刀を持ってきたのが「高倉下(タカクラジ)」なる人物であることも、そういうことじゃないかと思います。

古代では倉に穀物を保存していました。穀物は集落の命をつなぐものです。倉の穀物が、「ネズミに食べられる」「雨漏りがして濡れてカビる」「乾燥しすぎて発芽率が低下する」「泥棒に盗まれる」「虫がわく」などの理由で、ダメになった場合、さしあたっての食料も問題ですし、来年の種まきもできず、収穫はなく、餓死することになります。

もちろん、対策はうつのですよ。
高床式にしてネズミ対策をして、風通しを良くして、虫除けをして、などなど。でも、最後には神頼みです。そのひとつが「刀」だったのではないかと思います。
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