スポンサードリンク
クマソタケル兄弟を征伐
TWEET Facebook はてブ Google+ Pocket原文
ここにその楽の日に臨みて、童女の髪の如その結はせる御髪を梳(ケズ)り垂り、その姨の御衣御裳を服し、既に童女の姿に成りて、女人の中に交り立ちて、その室の内に入りましき。ここに熊曽建(クマソタケル)兄弟二人、その嬢子を見感でて、己が中に坐せて盛りに楽しつ。かれ、その酣(タケナハ)なる時に臨み、懐より剣を出し、熊曽の衣の衿を取りて、剣をその胸より刺し通したまひし時、その弟建 見畏みて逃げ出でき。すなはち追ひてその室の椅の本に至り、その背(ソビラ)の皮を取りて、剣を尻より刺し通したまひき。ここにその熊曽建(クマソタケル)白言さく、「その刀をな動かしたまひそ。僕白言すことあり」とまをしき。ここに暫し許して押し伏せたまひき。
スポンサードリンク
現代文訳
宴会の日になりました。
オウス命は少女の髪のように櫛で梳き、垂らして結んで叔母からもらった服を着て、少女のようになり、宴会の女性達の中に混じって家に入っていきました。
すると熊曽建(クマソタケル)の兄弟の二人はオウス命が化けた少女を見て気に入り、兄弟の間に座らせて、酒盛りしました。
宴もたけなわとなったとき、オウス命は懐より剣を取り出し、熊曽の兄の服の衿(エリ)を掴んで、引き寄せて剣を胸に突き刺しました。
熊曽の弟は恐ろしくなって逃げ出しました。
すぐにオウス命は追いかけ、その家の階段の下へと追っていき、背中の皮を捕まえ、剣を尻から突き刺した。
その熊曽建が言いました。
「その刀を動かさないでくれ。
言いたいことがある」
それでオウス命は剣を動かさず、熊曽建を押し伏せた。
オウス命は少女の髪のように櫛で梳き、垂らして結んで叔母からもらった服を着て、少女のようになり、宴会の女性達の中に混じって家に入っていきました。
すると熊曽建(クマソタケル)の兄弟の二人はオウス命が化けた少女を見て気に入り、兄弟の間に座らせて、酒盛りしました。
宴もたけなわとなったとき、オウス命は懐より剣を取り出し、熊曽の兄の服の衿(エリ)を掴んで、引き寄せて剣を胸に突き刺しました。
熊曽の弟は恐ろしくなって逃げ出しました。
すぐにオウス命は追いかけ、その家の階段の下へと追っていき、背中の皮を捕まえ、剣を尻から突き刺した。
その熊曽建が言いました。
「その刀を動かさないでくれ。
言いたいことがある」
それでオウス命は剣を動かさず、熊曽建を押し伏せた。
スポンサードリンク
解説
椅は梯
これは誤写。階段と訳していますが、梯子で登り降りする状態だったのでしょう。それにしても、新築二階建てとは。地震国である日本で二階建てを当たり前のように建てるには、かなりの建築技術が必要です。
これは誤写。階段と訳していますが、梯子で登り降りする状態だったのでしょう。それにしても、新築二階建てとは。地震国である日本で二階建てを当たり前のように建てるには、かなりの建築技術が必要です。
個人的コラム
スポンサードリンク
SNSボタン
TWEET Facebook はてブ Google+ Pocketページ一覧
景行天皇(古事記)の表紙へ
- Page5 大碓命
- Page6 オオウス命の系譜
- Page7 オウス命の蛮行
- Page8 オウス命は倭比売命から援助を受ける
- Page9 クマソタケル兄弟を征伐
- Page10 オウス命は名乗る
- Page11 ヤマトタケルのクマソ征伐
- Page12 ヤマトタケルとイズモタケル
- Page13 刀を取り替える策略
スポンサードリンク