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第一段一書(二)葦の芽が生えるように
漢字・読み | アシノメガハエルヨウニ |
原文
一書曰、古国稚地稚之時、譬猶浮膏而漂蕩。于時、国中生物。狀如葦牙之抽出也。因此有化生之神。號可美葦牙彦舅尊。次国常立尊。次国狹槌尊。葉木国、此云播舉矩爾。可美、此云于麻時。
現代文訳
ある書によると……
昔、国も地も出来上がっていないときは、例えるならば水に浮かぶ油のように漂っていました。
その時、その国の中から、葦の芽が生えるように、一つの物が生まれました。そうして生まれた神を可美葦牙彦舅尊(ウマシアシカビヒコヂ)と言いました。
次に生まれたのが国常立尊(クニノトコタチノミコト)。
次が国狹槌尊(クニノサツチノミコト)。
古事記の対応箇所
天地開闢と造化三神の登場
特別な五柱の天津神
昔、国も地も出来上がっていないときは、例えるならば水に浮かぶ油のように漂っていました。
その時、その国の中から、葦の芽が生えるように、一つの物が生まれました。そうして生まれた神を可美葦牙彦舅尊(ウマシアシカビヒコヂ)と言いました。
次に生まれたのが国常立尊(クニノトコタチノミコト)。
次が国狹槌尊(クニノサツチノミコト)。
葉木国(ハコクニ)を「播舉矩爾(ハコクニ)」といい、
可美(ウマシ)を「于麻時(ウマジ)」という。
可美(ウマシ)を「于麻時(ウマジ)」という。
古事記の対応箇所
天地開闢と造化三神の登場
特別な五柱の天津神
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解説
最後の二行は注釈。
水に浮かぶ油のよう、という表現は秀逸な感じがします。古事記では「クラゲが漂うよう(特別な五柱の天津神)」という表現がありました。
古事記の編纂者と日本書紀のこの段の編纂者が同じ人物でないならば、「日本人にとっての世界のはじまり」に共通のイメージがあったことになります。
日本人にとって世界は海に浮かぶもの。陸地などは海に囲まれているもの。日本人の世界観が大陸由来ではないことが分かります。
水に浮かぶ油のよう、という表現は秀逸な感じがします。古事記では「クラゲが漂うよう(特別な五柱の天津神)」という表現がありました。
古事記の編纂者と日本書紀のこの段の編纂者が同じ人物でないならば、「日本人にとっての世界のはじまり」に共通のイメージがあったことになります。
日本人にとって世界は海に浮かぶもの。陸地などは海に囲まれているもの。日本人の世界観が大陸由来ではないことが分かります。
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日本書紀神代上の表紙へ
- Page1 第一段本文 世界のはじまり
- Page2 第一段一書(一)天地が分かれて、その虚空に
- Page3 第一段一書(二)葦の芽が生えるように
- Page4 第一段一書(三)初めに「神人」が居ました
- Page5 第一段一書(四)高天原に生まれた神
- Page6 第一段一書(五)海の上で根づくところが無いでいる浮雲
- Page7 第一段一書(六)空中に葦の芽と脂
- Page8 第二段本文・第三段本文 神代七代
- Page9 第二段と第三段の一書まとめ
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