第七段一書(三)-3旅人・雨・笠・蓑

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第七段一書(三)-3旅人・雨・笠・蓑

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原文

是時、天手力雄神、侍磐戸側、則引開之者、日神之光、滿於六合。故、諸神大喜、卽科素戔鳴尊千座置戸之解除、以手爪爲吉爪棄物、以足爪爲凶爪棄物。乃使天兒屋命、掌其解除之太諄辭而宣之焉。世人愼收己爪者、此其緣也。既而、諸神、嘖素戔鳴尊曰「汝所行甚無頼。故不可住於天上、亦不可居於葦原中国。宜急適於底根之国。」乃共逐降去。于時、霖也。素戔鳴尊、結束靑草、以爲笠蓑、而乞宿於衆神。衆神曰「汝、是躬行濁惡而見逐謫者。如何乞宿於我。」遂同距之。是以、風雨雖甚、不得留休、而辛苦降矣。自爾以來、世諱著笠蓑以入他人屋內、又諱負束草以入他人家內。有犯此者必債解除、此太古之遺法也。
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現代語訳

第七段一書(三)-2
このとき天手力雄神(アメノタヂカラオ)は岩戸の傍に居て、すぐに岩戸を引いて開きました。
すると日の神の光は国に満ちました。

それで神々は喜び、すぐにスサノオをに千の台座に乗せた罪をあがなう宝物を差し出させ、手の爪を吉爪棄物(ヨシキライモノ)、足の爪を凶爪棄物(アシキライモノ)として抜きました。

また神々は天兒屋命(アメノコヤネ)に祓いの太諄辭(フトノリト=太祝詞)を歌わせました。

世の中の人が爪を大事にするのはそのせいです。

神々はスサノオを責めて言いました。
「お前がやったことは、とてもじゃないが許せるようなことではない。だから、天上(アメノウエ)に住むことは許されない。また葦原中国にも住んではいけない。すぐに底根之国(ソノツネノクニ)へ行ってしまえ!」

と神々は皆でスサノオを追放してしまいました。

追放されたのは長雨の時だったので、スサノオは青草を束ねて、それを笠・蓑にして、道中に住んでいた神に一休みする宿を求めました。

しかし神々が言うには
「お前がやったことが酷く悪くて穢れているから、追い出されたんじゃないか。どうして私に宿を求めるのか?」

神々は皆、拒みました。

スサノオは風や雨が強かったのですが、一休みすることもできず、苦しみながら、天から降りて行きました。

これ以来、笠や蓑を身に付けて、他人の家の中に入るのを嫌うようになりました。また草を束ねた物を背負って家の中に入るのを嫌います。これを破ると必ず祓いをしなくてはいけません。これは古くから残る掟です。
古事記の対応箇所
日の光が戻る
罰を与える八百万の神々
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解説

六合
東西南北と天地を合わせて六合で「クニ」と読みます。
爪を大事にする
爪が無いのは罪を犯したから。という感覚が古代にはあったのでしょう。実際に「罰」として爪を抜いていたのかもしれません。
旅人・雨・笠・蓑
長雨の時季というと梅雨。どこからともなくやってきた旅人が笠と蓑をつけたままで屋内に入ると「罪」として、罰があったようです。

日本の梅雨は蒸し暑く、物が腐る時期。集落の外からやってくる旅人は「病気」を持っている可能性があります。彼らの身につけている笠や蓑を室内に入れることは感染に繋がります。

当時は当然、科学の感覚は無く、病気は魔が起こすと考えていました。日本では天変地異は「罪」が起こすと考えていたようなので、罪を犯さないようにするのが、災厄を避ける大事な掟です。

それが旅人の笠・蓑を屋内に入れることは「罪」へとつながったのでではないか?と考えています。
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