第七段一書(三)-4悪行→岩戸→追放→誓約

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第七段一書(三)-4悪行→岩戸→追放→誓約

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原文

是後、素戔鳴尊曰「諸神逐我、我今當永去。如何不與我姉相見而擅自俓去歟。」廼復扇天扇国、上詣于天。時、天鈿女見之而告言於日神也、日神曰「吾弟所以上來、非復好意。必欲奪之我国者歟。吾雖婦女、何當避乎。」乃躬裝武備、云々。

於是、素戔鳴尊誓之曰「吾、若懷不善而復上來者、吾今囓玉生兒、必當爲女矣、如此則可以降女於葦原中国。如有淸心者、必當生男矣、如此則可以使男御天上。且姉之所生、亦同此誓。」於是、日神先囓十握劒、云々。

現代語訳

第七段一書(三)-4
スサノオは言いました。
「神々は私を追放した。
私は今まさに永遠に天を去る。
ならばどうして最後に我が姉に会わないで勝手に行ってしまえるだろうか!」

それでまた、天を震わせ、地を震わせ、天に昇っていきました。その昇ってくる様子を見て天鈿女(アメノウズメ)は日の神にスサノオがやってくることを報告しました。

すると日の神は
「わたしの弟が天に昇ってくる理由は、善い心からではないだろう。わたしの国(=高天原)を奪おうと考えているのでしょう。わたしは女ですが、どうして逃げられるか!」
すぐに武具を身につけました。
(略)

スサノオ誓約をして言いました。
「わたしがもし、善からぬ気持ちを持って天に昇って来たのならば、勾玉を噛んで生まれる子供は
女神になるでしょう。そうなれば、女神を中原中国に降ろしてください。

もし清らかな心ならば、男神が生まれるでしょう。それならば男神に天界を治めさせてください。

姉(=アマテラス)が生む子供も同じルールにしましょう」

それで日の神はまず十拳釼(トツカノツルギ)を噛みました。
(略)
古事記の対応箇所
須佐之男を迎え撃つアマテラス
身の潔白の証明、誓約
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解説

順番が違う!
この書では、まずスサノオの悪行があり、その結果として天の岩戸事件が起き、その解決の結果としてスサノオは罪を問われ、天上界を追放されます。
その追放後、根の国へと向かう前にアマテラスにあいさつに行き、そこで「天界を侵略に来たのか!」と疑われて誓約となり、宗像三女神やオシホミミなどの男神が生まれることになります。

つまり普通は
誓約→悪行→岩戸→追放
なのに

ここでは
悪行→岩戸→追放→誓約
となっています。

おそらくこの順番が物語としては正しいのでしょう。この順番がシックリ来ますから。誓約の後に調子こいて悪行って、物語としておかしいです。
順番を変えたのは、犯罪者の子孫にしないため
誓約のときに女神やオシホミミといった神が生まれます。これらの神々は、後の有力者の祖先ですし、古事記成立のときであっても、非常に有力な神でした。

その神が、悪行を犯し、罪を背負わされた状態で誓約をしたときに生まれたのと、まだ罪を犯していない状態で生まれたのとでは意味が違う。

つまり、罪の穢れを宗像の女神やオシホミミに付けないために、「誓約→悪行→岩戸→追放」の順番に改編したのだと思われます。

そう考えると「ケガレ信仰」は古事記の時点では全国的な信仰では無かったのかもしれませんね。
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