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九月甲子朔戊辰(四)嚴媛と名付ける
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時、椎根津彦、見而奏之。天皇大喜、乃拔取丹生川上之五百箇眞坂樹、以祭諸神。自此始有嚴瓮之置也。時勅道臣命「今、以高皇産靈尊、朕親作顯齋。(顯齋、此云于圖詩怡破毗。)用汝爲齋主、授以嚴媛之號。而名其所置埴瓮爲嚴瓮、又火名爲嚴香來雷、水名爲嚴罔象女罔象女、此云瀰菟破廼迷、糧名爲嚴稻魂女稻魂女、此云于伽能迷、薪名爲嚴山雷、草名爲嚴野椎。」
現代語訳
椎根津彦(シイネツヒコ)はこれ(=魚が浮かび上がった事)を見て報告しました。
天皇はとても喜び、すぐに丹生川の川上の五百箇眞坂樹(イホツノマサカキ=よく茂ったマサカキ)を抜き取り、神々に祀りました。
これ以降、神に嚴瓮(イツヘ)を神に供えるようになりました。
天皇は道臣命(ミチノオミノミコト)に命令しました。
「今、高皇産靈尊(タカミムスビノミコト)を私自らが、祀ろう。お前(=道臣命)を齋主(イワイノヌシ=祀るもの…神主のこと)として、嚴媛(イツヒメ)と名付けよう。この土の瓶(カメ)を嚴瓮(イツヘ)としよう。この火の名前を嚴香來雷(イツノカグツチ)としよう。水の名を嚴罔象女(イツノミツハノメ)としよう。食べ物の名前を嚴稻魂女(イツノウカノメ)としよう。薪の名前を嚴山雷(イツノヤマツチ)としよう。草の名前を嚴野椎(イツノヅチ)としよう」
天皇はとても喜び、すぐに丹生川の川上の五百箇眞坂樹(イホツノマサカキ=よく茂ったマサカキ)を抜き取り、神々に祀りました。
これ以降、神に嚴瓮(イツヘ)を神に供えるようになりました。
天皇は道臣命(ミチノオミノミコト)に命令しました。
「今、高皇産靈尊(タカミムスビノミコト)を私自らが、祀ろう。お前(=道臣命)を齋主(イワイノヌシ=祀るもの…神主のこと)として、嚴媛(イツヒメ)と名付けよう。この土の瓶(カメ)を嚴瓮(イツヘ)としよう。この火の名前を嚴香來雷(イツノカグツチ)としよう。水の名を嚴罔象女(イツノミツハノメ)としよう。食べ物の名前を嚴稻魂女(イツノウカノメ)としよう。薪の名前を嚴山雷(イツノヤマツチ)としよう。草の名前を嚴野椎(イツノヅチ)としよう」
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解説
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神武天皇(日本書紀)の表紙へ
- Page13 秋八月甲午朔乙未(三)吉野の先住民
- Page14 九月甲子朔戊辰(一)天平瓮と嚴瓮と酒と嚴呪詛
- Page15 九月甲子朔戊辰(二)椎根津彦と弟猾に変装させて
- Page16 九月甲子朔戊辰(三)誓約による飴作りと漁
- Page17 九月甲子朔戊辰(四)嚴媛と名付ける
- Page18 冬十月癸巳朔(一)神風の伊勢の海の大石にやい這い廻る細螺
- Page19 冬十月癸巳朔(二)道臣命の密命と歌
- Page20 冬十月癸巳朔(三)來目部の勝利の歌
- Page21 十有一月癸亥朔己巳(一)兄磯城と弟磯城
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