木菟(=ミミズク)が産殿に飛び込む

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仁徳天皇(八)木菟(=ミミズク)が産殿に飛び込む

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原文

天皇生日、木菟入于産殿、明旦、譽田天皇喚大臣武內宿禰語之曰「是何瑞也。」大臣對言「吉祥也。復、當昨日臣妻産時、鷦鷯入于産屋、是亦異焉。」爰天皇曰「今朕之子與大臣之子、同日共産、並有瑞。是天之表焉、以爲、取其鳥名各相易名子、爲後葉之契也。」則取鷦鷯名以名太子曰大鷦鷯皇子、取木菟名號大臣之子曰木菟宿禰、是平群臣之始祖也。是年也、太歲癸酉。

現代語訳

仁徳天皇が生まれた日のことです。木菟(ツク=ミミズク)が産殿(ウブトノ=出産するための小屋)に飛び込みました。翌麻に誉田天皇(ホムタノスメラミコト応神天皇=仁徳天皇の父)は大臣の武内宿禰(タケノウチノスクネ)を呼び寄せて語って言いました。
「これはなんの兆しか?」
大臣は答えて言いました。
「吉祥(ヨキサガ=吉兆)です。昨日、わたしめの妻が出産するにあたって鷦鷯(サザキ=ミソサザイ=鳥名)が産屋(ウブヤ=出産のための小屋)に飛び込んできました。これまた不思議なことです」
それで天皇は言いました。
「今、わたしの子と大臣の子が同じ日に共に生まれた。同じように何かの兆しがある。これは天からの何かの印だ。その鳥の名前を取って、それぞれ取り替えて名前をつけて、後の世の契りとしよう」
鷦鷯(サザキ)の名前を太子に名付けて、大鷦鷯皇子としました。また木菟(ツク)の名を大臣の子に名付けて木菟宿禰(ツクノスクネ)としました。これは平群臣の始祖です。この年は太歲癸酉です。
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解説

大鷦鷯
鳥は出雲神話で特別視されているものなので、ヤマトと出雲は文化で関係しているか、連続性があるのか、とも思えますが、まぁ、鳥を特別視したからというだけで、「一緒」というのは乱暴にも思えますよね。

この名前がつけられた話は、日本書紀でしか語られていません。
鳥と天皇
古事記では大鷦鷯・女鳥王・速総別王の恋の三角関係の物語があり、登場人物が全員「鳥」という奇妙なお話です。史実かどうかはともかくとして、「鳥」というのが、仁徳天皇の時代に何か強いモチーフだったのではないか?と思います。
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