老夫婦に名乗る

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老夫婦に名乗る

漢字・読みロウフウフニナノル
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原文

爾に速須佐之男命、其の老夫に詔りたまひけらく、「是の汝が女をば吾に奉らむや。」とのりたまひしに、「恐けれども御名を覚らず。」と答へ白しき。爾に答へ詔りたまひけらく、「吾は天照大御神の伊呂勢なり。故今、天より降り坐しつ。」とのりたまひき。

現代語訳

速須佐之男命(ハヤスサノオミコト)がその老人(=アシナヅチ)に
「お前の娘をわたしに献上してはどうか」と言いました。

すると
「恐れ多いことに、あなたの御名も知りません」
と答えました。

問いに答えて
「わたしは天照大御神アマテラスオオミカミ)の伊呂勢(イロセ=同母弟)です。 今、高天原より降り立ちました」
と言いました。
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解説

怪物退治と嫁取り
スサノオクシナダヒメを求め、「まだ名前も知らない」と言われて、「アマテラスの弟だ」と答えました。

娘を妻に娶るかわりに、怪物退治をするアンドロメダ型神話(またはペルセウス型神話)はよくある英雄神話として見られます。アンドロメダの物語で皇女を助けるのは「ペルセウス」です。ペルセウスは占いによって祖父を殺すとされ、母親と共に捨てられます。それが巡り巡って英雄となります。

スサノオもペルセウスも出自に家族間の不和があるのが始まりです。スサノオも父イザナギに疎まれ、高天原で姉アマテラスに狼藉を働いて追い出された後のヤマタノオロチ退治です。
共通点がある??ともされますが、まぁ、出自に不幸があって、後に英雄になるというのは物語としては王道であり、神話として分かりやすいだけなのかもしれない。
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