刀が欠けてしまう

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刀が欠けてしまう

漢字・読みカタナガカケテシマウ
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原文

爾に速須佐之男命、其の御佩しませる十拳剣を抜きて、其の蛇を切り散りたまひしかば、肥河血に変りて流れき。故、其の中の尾を切りたまひし時、御刀の刃毀けき。

現代語訳

速須佐之男命(ハヤスサノオミコト)が身に着けていた十拳剣(トツカノツルギ)を抜いて、その蛇を切り刻みました。
すると肥河(ヒノカワ)が血で染まり、流れていきました。
尾を切っているとき、剣の刃が欠けました。
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解説

トツカノツルギは拳(コブシ)十個分の刃の長さの剣という意味で、特別なものではありません。この剣でヤマタノオロチを刻むと、尾から「草薙の剣(=群雲の剣)」が出てきます。
血は鉄を含んだ水
ヤマタノオロチの姿形について」のくだりでも、ヤマタノオロチの腹部には血が滲んでいるという表現があります。ここでは河が赤く染まり、体内から剣が出てくるわけです。鉄と無関係ではないでしょう。

さて、出雲は朝鮮半島と交易がありました。出雲は鉄を輸入していたようですが、では何と鉄を交換したのかというと、ヒスイの勾玉のようです。もちろん他にあったのでしょうが、形として残るものとしてヒスイの勾玉が朝鮮半島南部で発見されています。ヒスイの産地は日本では北陸、アジア全体で見ても、日本以外はミャンマーだけです。そのヒスイの産地が「越」……ヤマタノオロチは「越」からやってきたとあります(参考:大蛇への生贄)。越は現在の北陸。鉄・ヒスイを結んだのは出雲です。出雲ではヒスイの加工もやっていたのでしょう。

では、出雲は鉄を輸入していたのか? 鉄を作っていたのか? たぶん、両方です。ヤマタノオロチの血で肥河が赤く染まったという記述は、出雲に「鉄の産地」があったことをさしているとすれば、それは具体的には何処をさしているのか……確かに奥出雲などで鉄は作られてはいるものの、量が足りない。ほとんどが朝鮮半島の伽耶から日本人が輸入したよう。
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