第九段本文―4天稚彦の弔い

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第九段本文―4天稚彦の弔い

漢字・読みアメノワカヒコノトムライ
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原文

先是、天稚彦、在於葦原中国也、與味耜高彦根神友善。(味耜、此云婀膩須岐)。故、味耜高彦根神、昇天弔喪。時此神容貌、正類天稚彦平生之儀。故、天稚彦親屬妻子皆謂「吾君猶在。」則攀牽衣帶、且喜且慟。時、味耜高彦根神、忿然作色曰「朋友之道、理宜相弔。故、不憚汚穢、遠自赴哀。何爲誤我於亡者。」則拔其帶劒大葉刈(刈、此云我里、亦名神戸劒)以斫仆喪屋、此卽落而爲山、今在美濃国藍見川之上喪山是也。世人、惡以生誤死、此其緣也。

現代語訳

第九段本文―4
天稚彦(アメノワカヒコ)が返し矢で死んでしまう前……天稚彦(アメノワカヒコ)は葦原中国(アシハラナカツクニ)の居た時に味耜高彦根神(アジスキタカヒコネ)と友情を育んでいました。
味耜は婀膩須岐(アジスキ)と読みます。

そこで味耜高彦根神(アジスキタカヒコネ)は天に昇って、天稚彦(アメノワカヒコ)を弔(とむら)いました。

この味耜高彦根神(アジスキタカヒコネ)の姿形が天稚彦(アメノワカヒコ)が生きていたときに、そっくりでした。

それで天稚彦(アメノワカヒコ)の親族・妻子が皆、「生きていた!!!」と言いました。そして服にすがりついて喜び、驚きました。

味耜高彦根神(アジスキタカヒコネ)は怒って言いました。
「友達だから、弔うべきだと思ったから死の汚穢(ケガレ)を受けるのも覚悟して、遠くから来て悲しんでいるのだ。
どうして私を死者と間違うのか!!!」

そして持っていた剣の大葉刈(オオハガリ)を抜いて
刈は我里(ガリ)と読みます。別名は神戸劒(カムトノツルギ)です。

喪屋(モヤ=葬式のために立てた小屋)を斬り伏せてしまいました。これが(下界に)落ちて山と成りました。その山が美濃国(ミノノクニ)の藍見川(アイミノカワ)の上流にある喪山(モヤマ)です。

世間の人が生きた人間と死んだ人を間違えるのを嫌うのは、これが理由です。
古事記の対応箇所
アメノワカヒコの葬式
アメノワカヒコが生き返った?!
タカヒコネが喪屋を破壊
飛びさるタカヒコネ
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解説

神は入れ替わる
日本は神が異界からやってきて、田畑に宿り、穀物を生育させて、収穫を終えるとまた異界へと帰っていくと考えていました。
異界とは「山」や「海の向こう」です。おもに山です。

では、異界へと帰って行った神はどうなるのでしょうか???

次の年にやってくる神は同じ神でしょうか??
昨年の神と今年の神は違う神
昨年の神と今年の神は違う神です。
同じように見えても違います。
毎年、門松を立てて「歳神(=オトシガミ・オオトシガミ)」を門松に降ろします。その神は前の年の神とは違う神です。同じ「オトシガミ」という名前だとしても、別人です(もしくは別神です)。同じ神なら、門松は飾りっぱなしでいいのです。
それで、最初の異界へと帰って行った神はどうなるのか?です。
それがこの話に集約されています。
おそらく「異界に帰った神」は死にます。
そういうイメージを古代の日本人は持っていたのでしょう。
農業関係の名前
味耜高彦根神(アジスキタカヒコネ)には「鋤(スキ=農具)」があります。喪屋を切り倒した剣が大葉刈(オオハガリ)です。この話は農業に関する挿話だと考えるべきだと思います。
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