第七段本文-3 中臣神と忌部神はお願いしました。

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第七段本文-3 中臣神と忌部神はお願いしました。

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原文

是時、天照大神、聞之而曰「吾比閉居石窟、謂當豊葦原中国必爲長夜。云何天鈿女命㖸樂如此者乎。」乃以御手、細開磐戸窺之。時、手力雄神、則奉承天照大神之手、引而奉出。於是、中臣神・忌部神、則界以端出之繩(繩、亦云、左繩端出。此云斯梨倶梅儺波)、乃請曰「勿復還幸。」然後、諸神、歸罪過於素戔鳴尊而科之以千座置戸、遂促徵矣、至使拔髮以贖其罪。亦曰「拔其手足之爪贖之。」已而竟逐降焉。

現代語訳

第七段本文-3
このときアマテラスは、外の騒がしいのを聞いて言いました。
「わたしは最近、岩屋に籠っている。
豊葦原中国(トヨアシハラナカクニ=地上)は長い夜となっていると思うのだけど……
どうして天鈿女命(アメノウズメ)はこんなに楽しそうにしているのでしょう?」

アマテラスは手で岩戸をちょっとだけ開いて覗き見ました。

その時、手力雄神(タヂカラオ=アメノタヂカラオ)がアマテラスの手を取り、岩屋の外に引っ張り出しました。

そこで中臣神(ナカトミノカミ=天兒屋命【アメノコヤネ】)、忌部神(イムベノカミ=太玉命【フトダマ】)がすぐに端出之繩(シリクメナワ)を張りました。
縄は別名を左繩端出。斯梨倶梅儺波(シリクメナワ)と読みます。

縄を張ると、中臣神と忌部神はアマテラスにお願いしました。
「もう、岩屋に帰らないでください」

その後、神々はスサノオの罪を責め、罰を与えました。沢山の台に罪に見合うだけの宝を乗せて差し出させました。また髪を抜き、その罪をあがなわせました。

もしくは手足の爪を剥いで罪をあがなわせたとも言います。

そして最後には神々はスサノオ高天原を追い出してしまいました。
古事記の対応箇所
なにごとかと覗く
日の光が戻る
罰を与える八百万の神々
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解説

一連の儀式は太陽を呼ぶ
長鳴き鳥に鳴かせ、サカキの木に勾玉、鏡、布をぶら下げて、アメノウズメを躍らせ、宴会をする。それに焚火を炊いているということは、夜から夜明けに掛けての儀式です。
参考:第七段本文-2 八十万とも言われる多数の神々は

儀式っていうか宴会ですよね。
神々が集まって、アマテラス…つまり、太陽が出てくるまで宴会する。岩屋が少し開いたら、太陽を引っ張り出し、ここで宴会終了。

あとは太陽が籠る原因となったスサノオに罰を与えて、高天原を追放です。

個人的コラム

この一連の物語は儀式をそのまま文章にしただけなんじゃないでしょうか?? 太陽の復活と、岩屋の封印。そんで宴会と、罪に対する罰。

わたしが興味を持つのは、太陽の復活と「罪と罰」が結びついているところです。
災厄は罪が起こす?
収穫祭というのは、神から受けた恵みに対する返礼です。この場合だと太陽の恵みである稲を奉納することで、「ありがとうございます。収穫できたのはあなたのおかげです」と、いうことです。

では日照りや冷夏といった異常気象が起きたら、それはどうしてだと、古代の日本人は考えたでしょうか? 太陽がへそを曲げた理由があると考えたはずです。機嫌を損ねるようなことがあったから、日照時間が減り、冷夏になったり、逆に日照りが続いて収穫が減ってしまうのです。

では、なぜ機嫌を損ねたのか??…と考えるか?? 客観的には夏の気温が低くなるような気圧配置だったとか、そういう理由ですが、当時はそんな科学的思考はありません。神や霊がそこいら中に居た、居ると皆が思っていた時代です。

話を戻します。
では、なぜ機嫌を損ねたのか??
それは誰かが罪を犯したからです。スサノオのような罪を犯した誰かがいたのです。


あくまで個人見解ですが
奉納には感謝の意もあるでしょうが、その一方で別の意味もあったのでしょう。
ご機嫌とりです。
誰かの罪に見合うだけの「宝」を納めることで、神の不機嫌を回避しようとしたのです。
日本人の神に対する態度は古代からそうです。

祟らないでください。
お願いしますよー、です。


そういう儀式が第7段に反映されているのではないでしょうか。
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