ナキメ

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ナキメ

漢字・読み鳴き女・哭女・哭者
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概要

まとめ
●ナキメはアメノワカヒコの監視者として高天原から派遣される。
アメノワカヒコに弓で殺される。
●その後、アメノワカヒコの葬儀で、ナキメは役割名として登場する。
●どちらも鳥の名前であり、無関係とは言えない。
●日本では鳥は異界の使者。どちらの役割も異界とのつながりを示唆するもの。

物語・由来

二つの意味
ナキメはアメノワカヒコの監視者として高天原から派遣されるのですが、アメノワカヒコに殺されてしまいます。

その後、アメノワカヒコが高木神に殺されて、葬式をするとそこに「ナキメ」という名前が登場しますが、これは葬式で演技で泣く「泣き女」のことで、職名であって、アメノワカヒコに殺された「ナキメ」とはニュアンスが違うと思われます。

しかし、殺されるナキメも、葬式のナキメも「鳥」です。無関係とは言えないでしょう。
鳥と泣き女
ナキメは「泣く女」「鳴く女」という意味で、古事記では「ナキメ=雉」ですが、日本書紀では「ナキメ」に対応する鳥は必ずしも「雉」ではなく「鷦鷯(ミソサザイ=サザキ)」ということもあります。
記紀では天の使いとして登場しますが、同時に、ナキメは葬式に泣いて故人の死を悲しむ演技をする「泣き女(韓国では今でも残る風習)」役割の名前としても記紀に登場します。
日本書紀では「無名雄雉」「無名雌雉」として登場。オスの雉は道草を食ってアメノワカヒコのところに到着できず、雌の雉はアメノワカヒコの元へ行って殺される。
第九段一書(六)—2雉頓使(キギシノヒタヅカイ)

鳥と神と死者
日本人は異界に神と死者がいると考えていました。異界は海の向こうだったり、山の向こうだったりするのですが、あくまで異世界ではなく、この世界の延長線上にありました。もちろん、異界へは簡単には行けませんけども、遠くとも行けない場所というイメージではなかった。

その異界と里をつなぐものが「鳥」だった。
それが「ナキメ」と女であるとされるのは、女性の霊威が強いというイメージがあったからでしょう。また、鳥が里を結ぶものだから、仁徳天皇(=オオサザキ)などに鳥の名前がついたのだと思います。

異界には神と死者がいる。
そこと里をつなぐのが鳥。
ナキメが一方で異界からの使いとして登場し、一方で死者の霊を弔うものとして登場するのは、そういう経緯があったのでしょう。

で、そこにどうして「雉」が当てられたのか。
雉のルックスが原因だと思いますね。
雉が綺麗だから、特別に異界からの使者として特別視されやすかった。そんなところじゃないかと思います。
●画像はキジ
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引用

キジを派遣しよう
「天若日子(アメノワカヒコ)が長い間、途中経過を報告してこない。
また、どの神を派遣して、天若日子(アメノワカヒコ)が出雲にとどまって帰ってこない理由を聞けばよいか??」

すると大勢の神と思金神(オモイカネ神)は
「雉(キジ)の――ナキメ(鳴き女)を派遣しましょう」
と答えました。

ナキメを射殺すアメノワカヒコ
鳴女(ナキメ)は天から降り、地上に到着すると、天若日子(アメノワカヒコ)の門の前の湯津楓(=カツラの木)の上に止まりました。

そしてこと細かく天津神たちの言葉を伝えました。
天佐具売(アメノサグメ)は鳥(=ナキメのこと)の言葉を聞いて、天若日子(アメノワカヒコ)に語って言いました。
「この鳥の鳴き声はとても不吉です。
だから弓で射殺してしまいましょう」
と進言すると、すぐに天若日子(アメノワカヒコ)は天津神から貰った天之波士弓(アマノハジユミ)と天之加久矢(アマノカク矢)で雉(キジ)を殺してしまいました。

アメノワカヒコの葬式
そこに喪屋(モヤ)を作って、川雁(カワカリ)を食べ物を運ぶ役目として、鷺(サギ)を掃除係として、翠鳥(=カワセミ)を神に供える食物を用意する係りとし、雀(スズメ)を碓女(=米をつく女)とし、雉(キジ)を哭女(泣き女)という具合に葬式のやるべきことを定めて、八日八夜の間、踊り食べて飲み遊んで、死者を弔いました。

第九段本文―3 鳥の葬儀
一説には川鴈(カワガリ)を持傾頭者(キサリモチ)として、持帚者(ハハキモチ)とし、鴗(ソビ)を尸者(モノマサ=使者に代わってあいさつをする)としました。雀を舂者(ツキメ)としました。鷦鷯(サザキ)を哭者(ナキメ)としました。鵄(トビ)を造綿者(ワタツクリ=死者の服を作る)としました。烏(カラス)を宍人者(シシヒト)としました。全ての鳥に仕事を分担させました。
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