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ワカヒルメ
漢字・読み | 稚日女神 |
別名 | 稚日霎神・尾田吾田節之淡郡所居神 |
概要
アマテラスの妹
ワカヒルメ神は謎が多い神。実はアマテラスとは同一神だったとする説もあります(あくまで一説)。機織りの神でありますが、その後、神功皇后を手助けするなど、単なる職工の神ではなく、ワカヒルメを祀る神社では祈雨・健康長寿・商売繁盛・子宝安産・縁結びとなんでもござれの万能神となっています。
もともとは神戸という名前の元となった氏族が信仰していた神。
ワカヒルメ神は謎が多い神。実はアマテラスとは同一神だったとする説もあります(あくまで一説)。機織りの神でありますが、その後、神功皇后を手助けするなど、単なる職工の神ではなく、ワカヒルメを祀る神社では祈雨・健康長寿・商売繁盛・子宝安産・縁結びとなんでもござれの万能神となっています。
もともとは神戸という名前の元となった氏族が信仰していた神。
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物語・由来
スサノオの乱暴狼藉で死ぬ女神
アマテラスとスサノオが誓約をし、スサノオが勝利するとあまりの喜びから乱暴狼藉を働き始めます。アマテラス神の田の畔を壊し、神殿で糞をしてまきちらし、最後に機織り小屋に赤馬の皮を剥いだ死体を投げ込みます。機織りをしていたワカヒルメは驚いて、拍子に女性器を傷つけて死んでしまいます(素行不良が過ぎる)。ワカヒルメの死に起こったアマテラスが天の岩戸事件を起こします。
神功皇后に挑戦征伐を進めた神の1柱とも
神功皇后に朝鮮征伐進めた神の中に「尾田吾田節之淡郡所居神」というのがいます。この神が「ワカヒルメ」ではないかとも。
神功皇后の手助けを
神功皇后が三韓出征から帰ってきて、神戸あたりで、船がクルクル回って前に進まなくなります。そこで武庫(兵庫県武庫川の河口あたり)の港に上陸して、神託を受けると、ワカヒルメが「わたしを生田神社に祀れ」と言ったので、そのとおりに生田に祀ると船が前に進むようになりました。
アマテラスとスサノオが誓約をし、スサノオが勝利するとあまりの喜びから乱暴狼藉を働き始めます。アマテラス神の田の畔を壊し、神殿で糞をしてまきちらし、最後に機織り小屋に赤馬の皮を剥いだ死体を投げ込みます。機織りをしていたワカヒルメは驚いて、拍子に女性器を傷つけて死んでしまいます(素行不良が過ぎる)。ワカヒルメの死に起こったアマテラスが天の岩戸事件を起こします。
神功皇后に挑戦征伐を進めた神の1柱とも
神功皇后に朝鮮征伐進めた神の中に「尾田吾田節之淡郡所居神」というのがいます。この神が「ワカヒルメ」ではないかとも。
神功皇后の手助けを
神功皇后が三韓出征から帰ってきて、神戸あたりで、船がクルクル回って前に進まなくなります。そこで武庫(兵庫県武庫川の河口あたり)の港に上陸して、神託を受けると、ワカヒルメが「わたしを生田神社に祀れ」と言ったので、そのとおりに生田に祀ると船が前に進むようになりました。
●そうなるとワカヒルメは「日」の神ではなく、「海」に関わる神ということになる。
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引用
第七段一書(一)稚日女尊の死と日矛と鏡
神功皇后(二)天疎向津媛命と尾田吾田節之淡郡所居神と事代主
神功皇后(十八)広田国と活田長峽国と長田国と大津の渟中倉の長峽に祀る
誓約の後のことです。
稚日女尊(ワカヒルメ)が齋服殿(イミハタドノ)で神の服を織っていました。スサノオはこれを見て、斑駒(マダラコマ=マダラ模様の馬)の皮を逆に剥いで、建物に投げ込みました。
ワカヒルメは驚いて、機織り機から転げ落ちて、持っていた機織りの道具の「梭(ヒ、もしくはカビ)」で体を突いて死んでしまいました。
稚日女尊(ワカヒルメ)が齋服殿(イミハタドノ)で神の服を織っていました。スサノオはこれを見て、斑駒(マダラコマ=マダラ模様の馬)の皮を逆に剥いで、建物に投げ込みました。
ワカヒルメは驚いて、機織り機から転げ落ちて、持っていた機織りの道具の「梭(ヒ、もしくはカビ)」で体を突いて死んでしまいました。
神功皇后(二)天疎向津媛命と尾田吾田節之淡郡所居神と事代主
「この神を除いて他の神はいますか?」
答えがありました。
「幡荻(ハタススキ=布や旗のようになびくススキ=穂の枕詞)の穂(ホ=植物の穂のように現れる『姿』のこと=姿を表す神のこと)のように現れた『吾』は尾田(オダ)の吾田節(アガタフシ)の淡郡(アワノコオリ)に居る神だ」
答えがありました。
「幡荻(ハタススキ=布や旗のようになびくススキ=穂の枕詞)の穂(ホ=植物の穂のように現れる『姿』のこと=姿を表す神のこと)のように現れた『吾』は尾田(オダ)の吾田節(アガタフシ)の淡郡(アワノコオリ)に居る神だ」
神功皇后(十八)広田国と活田長峽国と長田国と大津の渟中倉の長峽に祀る
すぐに山背根子(ヤマシロノネコ)の娘の葉山媛(ハヤマヒメ)に祭らせました。また、稚日女尊(ワカヒルメノミコト)が教えて言いました。
「吾(ワレ)は活田長峽国(イクタノナガオノクニ=摂津国八部郡生田神社=現在の神戸市生田区下山手通)に居る」
そこで海上五十狹茅(ウナガミノイサチ)に祭らせました。
「吾(ワレ)は活田長峽国(イクタノナガオノクニ=摂津国八部郡生田神社=現在の神戸市生田区下山手通)に居る」
そこで海上五十狹茅(ウナガミノイサチ)に祭らせました。
個人的コラム
ヒルメとヒルコ
生まれて三年たっても足腰の立たない不完全な神として生まれ、両親であるイザナギとイザナミによって海に捨てられた「ヒルコ(蛭子)」。
ヒルコとヒルメは「日ル」+「子」と「日ル」+「女」とされ、元々は太陽神であったのだろうというのが定説です。
しかし、私は違う性質だったのだろうと考えています。
生贄の神格化
「日ル」に対する当て字が「蛭」というのはあまりにイメージが良くない。まぁイメージが悪いというのは私たちの勝手で吸血動物の「蛭」は古代では悪いイメージでは無かった、のかもしれませんが、おそらく良いイメージではないでしょう。
どうしてこの「蛭」という字が当てられたのか? もっと別の漢字でも良かったハズです。そもそもが太陽神ならば、もっと適切な字があったでしょう。「昼」でもいいじゃないですか。「日留」でもいいでしょう。「蛭」になったのは意味がある。
ヒルメとヒルコの共通点は「理不尽な死」です。ヒルメはスサノオの狼藉のために死に(第七段一書(一)稚日女尊の死と日矛と鏡)、ヒルコは明確に死んだと言う記述は無いのですが、不具を理由に両親に海に捨てられます。
彼らは生贄だったのではないか?というのが私の意見です。生贄の神格化です。
蛭という字が当てられたのは吸血動物の蛭が生贄の成れの果てという意識があったからでしょう。それにヤマトタケルの「弟橘比売命の入水」のように海に生贄をささげることで怒りを鎮めるということは珍しくなかったはずです。
生贄
生贄の性質はようは「神に仕える」という意味で、徐々に深い意味を持たなくなったのではないかと思います。それで機織りや海といった一貫性のない性質を持つようになった。ただ生贄ってのは「すごい自己犠牲」です。誰も納得して生贄になるのではないですが、そこに強い尊敬の念があり、それだけが残ったのではないかと。
ヒルメとヒルコの違い
ヒルコは海に捨てられるのに対して、ヒルメは高天原であり、地上の機織り小屋での事故死です。ヒルコは海への生贄であり、ヒルメは農業や産業への生贄という違いはあったと思います。
ヒルメの霎
この「霎」には神に使えるという意味があります。ヒルメは生贄の巫女という意味でしょう。ワカヒルメが機織りをしていたのは古代において布は非常に神聖なもので、機織りも巫女の仕事だったからです。
生まれて三年たっても足腰の立たない不完全な神として生まれ、両親であるイザナギとイザナミによって海に捨てられた「ヒルコ(蛭子)」。
ヒルコとヒルメは「日ル」+「子」と「日ル」+「女」とされ、元々は太陽神であったのだろうというのが定説です。
しかし、私は違う性質だったのだろうと考えています。
生贄の神格化
「日ル」に対する当て字が「蛭」というのはあまりにイメージが良くない。まぁイメージが悪いというのは私たちの勝手で吸血動物の「蛭」は古代では悪いイメージでは無かった、のかもしれませんが、おそらく良いイメージではないでしょう。
どうしてこの「蛭」という字が当てられたのか? もっと別の漢字でも良かったハズです。そもそもが太陽神ならば、もっと適切な字があったでしょう。「昼」でもいいじゃないですか。「日留」でもいいでしょう。「蛭」になったのは意味がある。
ヒルメとヒルコの共通点は「理不尽な死」です。ヒルメはスサノオの狼藉のために死に(第七段一書(一)稚日女尊の死と日矛と鏡)、ヒルコは明確に死んだと言う記述は無いのですが、不具を理由に両親に海に捨てられます。
彼らは生贄だったのではないか?というのが私の意見です。生贄の神格化です。
蛭という字が当てられたのは吸血動物の蛭が生贄の成れの果てという意識があったからでしょう。それにヤマトタケルの「弟橘比売命の入水」のように海に生贄をささげることで怒りを鎮めるということは珍しくなかったはずです。
生贄
生贄の性質はようは「神に仕える」という意味で、徐々に深い意味を持たなくなったのではないかと思います。それで機織りや海といった一貫性のない性質を持つようになった。ただ生贄ってのは「すごい自己犠牲」です。誰も納得して生贄になるのではないですが、そこに強い尊敬の念があり、それだけが残ったのではないかと。
ヒルメとヒルコの違い
ヒルコは海に捨てられるのに対して、ヒルメは高天原であり、地上の機織り小屋での事故死です。ヒルコは海への生贄であり、ヒルメは農業や産業への生贄という違いはあったと思います。
ヒルメの霎
この「霎」には神に使えるという意味があります。ヒルメは生贄の巫女という意味でしょう。ワカヒルメが機織りをしていたのは古代において布は非常に神聖なもので、機織りも巫女の仕事だったからです。
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