天武天皇(百三十一)草薙剣の祟り・天皇の病気を飛鳥寺の僧に誓願させる

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天武天皇(百三十一)草薙剣の祟り・天皇の病気を飛鳥寺の僧に誓願させる

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原文

六月己巳朔、槻本村主勝麻呂賜姓曰連、仍加勤大壹位、封廿戸。庚午、工匠・陰陽師・侍醫・大唐學生及一二官人、幷卅四人授爵位。乙亥、選諸司人等有功廿八人、増加爵位。戊寅、卜天皇病、祟草薙劒、卽日送置于尾張国熱田社。庚辰、雩之。甲申、遣伊勢王及官人等於飛鳥寺、勅衆僧曰、近者朕身不和、願頼三寶之威、以身體欲得安和。是以、僧正僧都及衆僧、應誓願、則奉珍寶於三寶。是日、三綱律師及四寺和上・知事、幷現有師位僧等、施御衣御被各一具。丁亥、勅之遣百官人等於川原寺爲燃燈供養、仍大齋之悔過也。丙申、法忍僧・義照僧、爲養老各封卅戸。庚寅、名張厨司災之。
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現代語訳

(即位15年)6月1日。槻本村主勝麻呂(ツキノモトノスグリカチマロ)に姓(カバネ)を与えて連(ムラジ)と言うようになりました。勤大一位を加えて20戸を封(ヨサ)しました。
6月2日。工匠・陰陽師・侍医・大唐の学生と一人か二人の宮人、合わせて34人に爵位を授けました。
6月7日。諸司(ツカサツカサ=役人)の人たちの中から功績のあるものを28人選んで、爵位を増し加えました。
6月10日。天皇の病気を占うと、草薙剣(クサナギノツルギ)が祟っていると分かりました。その日に尾張国の熱田社(アツタノヤシロ)に送って置きました。
6月12日。雨乞いをしました。
6月16日。伊勢王(イセノオオキミ)と官人(ツカサヒト=役人)たちを飛鳥寺に派遣して、衆僧(モロモロノホウシ)に勅(ミコトノリ)して言いました。
「この頃、朕(ワレ)の身は不和(ヤクサム=病気)となっている。願う。三宝(=仏・法・僧)の威(カシコキミタマノフユ=霊威)に頼って、身体を安和(ヤスラカ=健康)になろうと思っている。それで僧正・僧都と衆僧(モロモロノホウシ)は誓い願いなさい」
珍宝を三宝に奉じました。この日に三綱(サンゴウ)・律師(リツシ)と四つの寺の和上(ワジョウ)・知事(チジ)、合わせて現在の師位(=僧の位の一つ)のある僧たちに、御衣(オオミソ)・御被(オオミフスマ)をそれぞれ一具を贈りました。
6月19日。勅して百官(ツカサツカサ=役人)の人たちを川原寺に派遣して、燃燈供養(ネントウクヨウ=灯りを燃やして供養する法会)しました。大きな斎(オガミ=儀式)をして悔過(カイカ=自分の罪を懺悔する)しました。
6月28日。法忍僧(ホウニンホウシ)・義照僧(ギショウホウシ)の老いを養うために、それぞれに30戸を封(ヨサ)しました。
6月22日。名張(ナバリ=伊賀国名張郡=現在の三重県名賀郡と名張市)の厨司(クリヤノツカサ=食料のための施設)が火事になりました。
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解説

草薙剣
クサナギノツルギは言わずと知れた、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)から出てきて、その後、ヤマトタケルが焼津で火攻めにあった時にピンチを救った、三種の神器の一つ。まぁ、三種の神器というのは、後々の概念でこの頃には無かったようですが。

その草薙剣は天智天皇の時代に新羅の僧の道行に盗まれてしまいます。結局、逃走には失敗。それで草薙剣はどこにあったのか? 景行天皇の時代に「現在は熱田神宮にあるよ」と書いてあるのですが、それは日本書紀編纂時のことなのでしょう。ということは、ヤマトタケルの死後、草薙の剣はずっと「大和朝廷」に管理されていたと考えたほうが自然じゃないかな。それを道行に盗まれて、取り返した。つまり、盗まれる前も後も、ずっと天皇のそばにあった。ところが、草薙剣が祟ったので熱田神宮に祀った。

しかし、熱田神宮の社伝では草薙剣は、ヤマトタケルの死後、ヤマトタケルの妃の宮簀媛命(ミヤスヒメノミコト)が回収し、ずっと熱田神宮にあるとされています。道行が熱田神宮から盗み、その後は一時的に天皇が管理していたというのが、「定説」なんですが、私はちょっと違うんじゃないか?と思います。

私はそもそも「草薙の剣」というのは「固有名詞」じゃないんじゃないか?と思っています。草薙剣は一本の剣を指した言葉じゃなくて、神々しい性質を持つ剣・・・もしくは儀式用の鉄器の総称じゃないのかな?と。その中でも特別な存在が「熱田神宮の草薙剣」であるのは間違いないのですよ。ただ、草薙剣が特定の一本の剣を指した言葉とは限らないのではないか?と。
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