第九段一書(二)—6一晩だけで妊娠させられるのか??

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第九段一書(二)—6一晩だけで妊娠させられるのか??

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原文

是後、神吾田鹿葦津姫、見皇孫曰「妾孕天孫之子。不可私以生也。」皇孫曰「雖復天神之子、如何一夜使人娠乎。抑非吾之兒歟。」木花開耶姫、甚以慙恨、乃作無戸室而誓之曰「吾所娠、是若他神之子者、必不幸矣。是實天孫之子者、必當全生。」則入其室中、以火焚室。于時、燄初起時共生兒、號火酢芹命。次火盛時生兒、號火明命。次生兒、號彦火火出見尊、亦號火折尊。齋主、此云伊播毗。顯露、此云阿羅播貳。齋庭、此云踰貳波。

現代語訳

第九段一書(二)—6
吾田鹿葦津姫(カムアタカシツヒメ)は皇孫(スメミマ=ニニギ)を見て言いました。
「わたしは天孫(アメミマ=ニニギ)の子を妊娠しました。
個人的に生んではいけない(ので報告・相談に来ました)」

皇孫(スメミマ)は言いました。
「天神(アマツカミ)の子といっても、どうやったら、一晩だけで妊娠させられるのか?? その子はわたしの子ではないだろう」

木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)はとても情けなく恥ずかしく思い、腹を立てました。そこで、すぐに窓も戸も無い小屋を造って誓約をしました。

「わたしが妊娠したこの子が、もしも天津神以外の子供ならば、必ず不幸になる。この子が本当に天孫の子ならば、必ず何の問題も無く生まれるだろう!!」

そしてその小屋の中に入って、火をかけて小屋を焼きました。そのとき、燄(ホノオ)の起こり始めで生まれた子供を火酢芹命(ホノスセリノミコト)といいます。次に火が盛んになったときに生まれた子供を火明命(ホノアカリノミコト)といいます。次に生まれた子供を彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)といいます。
別名を火折尊(ホノオリノミコト)といいます。

齋主は伊播毗(イワヒ)といいます。
顯露は阿羅播貳(アラワニ)といいます。
齋庭は踰貳波(ユニワ)といいます。

古事記の対応箇所
俺の子供じゃないでしょ
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解説

処女か否か
古事記と記述がほとんど同じなので書く事が無いなぁ。そこでちょっと古代の人の恋愛について。

コノハナサクヤヒメニニギに「その子は俺の子じゃないんじゃね?」と言われてブチ切れて誓約をして、最後はコノハナサクヤヒメが勝利を収めてしまいます。ニニギって天孫って言われてるけど、嫁に完敗。

個人的に問題にしたいのは、コノハナサクヤヒメの処女性が問題になっていないところです。つまり、コノハナサクヤヒメも前に男が居たこと自体は明確に否定していないのです。
●字数制限もあるだろうから、そこまで書かなかっただけ、ということもありますが。

古代では男と女の結婚は通い婚でした。
別のいい方では「夜ばい」です。
現代では嫁が夫の家に入るものですが、古代では主体は嫁の家でした。嫁の家に夫が通い、嫁の家で子供が生まれて、子供は嫁と嫁の両親によって育てられます。

それはひっくり返すと、夫は嫌になったら簡単に疎遠になってしまうということです。となると嫁は不利、な気がしますが、その代わり、古代の方が女性の再婚には寛容でした。

そういう古代の結婚観がでている場面なのでしょうね。多分。

個人的コラム

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