第九段一書(二)—3大物主神を祀った始まり

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第九段一書(二)—3大物主神を祀った始まり

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原文

時高皇産靈尊、勅大物主神「汝若以国神爲妻、吾猶謂汝有疏心。故今以吾女三穗津姫、配汝爲妻。宜領八十萬神、永爲皇孫奉護。」乃使還降之。卽以紀国忌部遠祖手置帆負神定爲作笠者、彦狹知神爲作盾者、天目一箇神爲作金者、天日鷲神爲作木綿者、櫛明玉神爲作玉者。乃使太玉命、以弱肩被太手繦而代御手、以祭此神者、始起於此矣。且天兒屋命、主神事之宗源者也、故俾以太占之卜事而奉仕焉。高皇産靈尊因勅曰「吾、則起樹天津神籬及天津磐境、當爲吾孫奉齋矣。汝、天兒屋命・太玉命、宜持天津神籬、降於葦原中国、亦爲吾孫奉齋焉。」乃使二神、陪從天忍穗耳尊以降之。
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現代語訳

第九段一書(二)—3
高皇産靈尊(タカミムスビミコト)は大物主神(オオモノヌシノカミ)に命令しました。
「お前がもしも、国神(クニツカミ=国津神)を妻とするならば、私はお前に反抗する心があると思うだろう。だから、私の娘の三穗津姫(ミホツヒメ)をお前と会わせて妻としよう。八十萬神(ヤオヨロズノカミ)を率いて永遠に皇孫(スメミマ)をお守りしなさい」
そして地上に(オオモノヌシを)降ろしました。

紀国(キノクニ)の忌部(イムベ)が遠い祖先の手置帆負神(タオキホオイノカミ)を、笠を作る「作笠者(カサヌイ)」としました。

彦狹知神(ヒコサチノカミ)を盾を作る「作盾者(タテヌイ)」としました。

天目一箇神(アマノマヒトツノカミ)を「作金者(カナダクミ)」としました。

天日鷲神(アマノヒワシノカミ)を作木綿者(ユウツクリ)としました。

櫛明玉神(クシアカルタマノカミ)を作玉者(タマツクリ)としました。

太玉命(フトタマノミコト)の弱々しい肩に太手繦(フトダスキ)を掛けて「御手代(ミテシロ)」としました。

そうして大物主神(オオモノヌシ)を祀ったのは、これが始まりです。

天兒屋命(アマノコヤネノミコト)は神事を司る宗源者(モト=取り仕切る人?)です。だから、天兒屋命(アマノコヤネノミコト)は太占(フトマニ=占いの名前)の卜事(ウラゴト=占い)をして神事に参加しました。

高皇産靈尊(タカミムスビノミコト)は命じました。

「わたしは神が宿る『樹』の天津神籬(アマツヒモロキ)と神が宿る『岩』の天津磐境(アマツイワサカ)を立てて、私の子孫(オシホミミ?)を祝い祀ろう。
お前たち、天兒屋命(アマツコヤネノミコト)・太玉命(フトダマノミコト)は天津神籬(アマツヒモロギ)を大切にし、葦原中国(アシハラナカツクニ=地上)に降りて、私の孫を祝い祀りなさい」

それで二柱の神(アマツコヤネとフトダマ)を天忍穗耳尊(アメノオシホミミ)に従わせて、地上に降ろしました。
古事記の対応箇所
五柱と共に降臨
五伴緒の子孫
古語拾遺の対応箇所
古語拾遺12 天祖の神勅
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解説

御手代(ミテシロ)
榊の木に白いギザギザの紙を掛けた「玉串」というのを神社で見たことがあると思います。あれを持つものを「御手代」と言います。御手代はつまり、その手に「神」を宿す「依り代」です。
高皇産靈尊とオシホミミの関係は?
オシホミミはアマテラスの子であり、スサノオの子でもありますが、高皇産靈尊は関係ありません。ではなぜ、ここで「吾が孫」と書いているのでしょうか??
高皇産靈尊はオシホミミに娘を嫁がせていますので、義理の親子ですが、「吾が孫」ではありません。ニニギは高皇産靈尊から見て「孫」ですが、オシホミミは違います。
なぜこういう記述になったのかは分かりません。

個人的コラム

高皇産靈尊はアマテラスの親だったのでは?
アマテラスの両親はイザナギイザナミです。しかし、イザナギイザナミという神は高天原の神話とは別系統と思われます。
イザナギイザナミは淡路島の海洋民族の神だったとされます。この海洋民族は大和と九州、九州から朝鮮・中国と、九州から沖縄の交易をする上で、海流を読めた頼れる存在でした。
●イザナギ・イザナミ兄妹が子孫を残す物語りや、海の塩から島を生み出す物語、海鳥からセックスを知る物語、などはオセアニア・東南アジアに残る神話です。


つまり高天原の神話とイザナギの神話は、元々は別々でどこかでくっつけられた。ではアマテラスたち三貴神は誰から生まれたのか???となると、それが高皇産靈尊、だったのではないか?と私は思っています。

その系譜が元々あって、このページで「吾が孫」と書かれたのでしょう。
イザナギとイザナミは海の神です。オノゴロ島を生んだ話は彼らの物語でしょう。でも、黄泉の国での死と離婚の物語は、「海の民」の物語という感じがしません。海の民なら海に死体を返すような、というのは考え過ぎでしょうか。
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