下光比売命・下照比売命・下照姫(シタテルヒメノミコト)

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シタテルヒメ

漢字・読み下光比売命・下照比売命・下照姫
別名高比売命・高姫・稚国玉
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概要

まとめ
●古事記では下光比売命・下照比売命。
日本書紀では下照姫。
●大国主の娘で、アメノワカヒコの妻。
アメノワカヒコの葬儀の際、兄であるアジスキタカヒコネアメノワカヒコと間違えられて、憤慨して飛んで行った時に、歌を歌った。

物語・由来

シタテルヒメは
古事記では「下光比売命・下照比売命」。
日本書紀では「下照姫」と書かれます。

古事記では大国主神(オオクニヌシ神)と宗像の奥津宮の神の多紀理毘売命(タキリヒメミコト)の子の高比売命(タカヒメミコト)の別名です。

日本書紀では顯国玉(ウツシクニタマオオクニヌシオオナムチ)の娘が下照姫(シタテルヒメ)で、別名が高姫(タカヒメ)と稚国玉(ワカクニタマ)です。
性質など
出雲が育てた日本(=葦原中国)を奪おうと高天原から派遣されたアメノワカヒコとシタテルヒメは結婚しました。アメノワカヒコはそのまま出雲に寝返り、高天原への報告をせず、逆に殺されてしまいます。アメノワカヒコが死んで悲しみのあまりシタテルヒメは泣き、その声を聞いたアメノワカヒコの父である天津国玉神(アマツクニタマノカミ)は葬儀を行いました。そこに現れたのがシタテルヒメの兄である「アジスキタカヒコネ」でした。アジスキタカヒコネはアメノワカヒコとそっくりで、生き返ったのではないかと、高天原でのアメノワカヒコの妻子が抱きつくと、
シタテルヒメは抱きついていない、と思います。

怒ったアジスキタカヒコネは、喪屋を壊して、飛び去りました。その姿を讃える歌を歌ったのが「シタテルヒメ・タカヒメ」でした。
シタテルヒメとは?
アメノワカヒコが死に、それにそっくりなアジスキタカヒコネが現れるという物語は、神の死と再生を表しています。なんて書き方をすると難しいですが、日本人は春に神が里にやってきて、秋になると死んでしまい、また翌年の春には違う神様がやってくると考えていた、という世界観を物語にしたということです。
ということはアメノワカヒコとアジスキタカヒコネは、そもそもは同一神だったか、性質の近い神ということです。そしてシタテルヒメの別名は「タカヒメ」です。タカヒメはアジスキタカヒコネの「タカヒコ」と対になっているので、この2神はそもそも兄妹で夫婦の一対の神だったのでしょう。

ではシタテルとは何か?

多分、こういうことです。
タカヒコは、分解すると、「高い」「日」「子」です。つまり太陽神でも、夏の太陽を表していたんじゃないかと思うのです。その対となる名前の一つが「タカヒメ」なのですが、もう一つの「対」が「下を照らす」という名前だったんじゃないかと。

で、もう一つ推測をいうならば、そもそも「アジスキ」「タカヒ」「シタテル」で一つの名前の神だったんじゃないかとも思います。
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引用

迦毛大御神と謂うぞ
大国主神(オオクニヌシ神)が、宗像の奥津宮の神の多紀理毘売命(タキリヒメミコト)を娶って産んだ子は
阿遅鋤高日子根神(アジスキタカヒコネ神)。
次に妹の高比売命(タカヒメノミコト)。別名は下光比売命(シタテルヒメノミコト)。

アメノワカヒコに弓と矢を持たせて地上へ
天若日子(アメノワカヒコ)はその国に降りて、すぐに大国主神(オオクニヌシ)の娘、下照比売(シタテルヒメ)を娶って、その国を自分のものにしようと企んで、8年経っても高天原に途中経過を報告することもありませんでした。

アメノワカヒコの葬式
天若日子(アメノワカヒコ)の妻の下照比売(シタテルヒメ=大国主の娘)の泣く声が、風に乗って響き、高天原まで届きました。高天原の天若日子(アメノワカヒコ)の父親、天津国玉神(アマツクニタマ神)とその妻子が聞いて、地上に降りて嘆き悲しみました。

第九段本文―2反矢(カエシヤ)、畏(オソ)るべし
ところがこの天稚彦(アメノワカヒコ)も、使命をほったらかして、下界に降りると顯国玉(ウツシクニタマ=オオクニヌシ=オオナムチ)の娘の下照姫(シタテルヒメ)を娶りました。
別名を高姫(タカヒメ)、もしくは稚国玉(ワカクニタマ)といいます。

第九段本文―3 鳥の葬儀
天稚彦(アメノワカヒコ)の妻の下照姫(シタテルヒメ)が泣き悲しむ声が天に届きました。このとき天国玉(アマツクニタマ=アメノワカヒコの親)がその泣く声を聞いて、天稚彦(アメノワカヒコ)が死んだことを知りました。

第九段一書(一)―3 石川片淵
(喪屋を斬った)味耜高彦根神(アジスキタカヒコネノカミ)はとても輝いていて麗しいほどで、二つの丘と二つの谷に渡って輝いていました。なので、葬式に参加したものが歌いました。
もしくは味耜高彦根神(アジスキタカヒコネノカミ)の妹の下照媛(シタテルヒメ)は集まった人達に「丘谷(オタニ)で輝くモノは味耜高彦根神(アジスキタカヒコネノカミ)ですよ」と教えようと思って、歌ったとも
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