初めてのまぐわいと初めての子

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イザナギとイザナミ、初めての…

漢字・読みイザナギトイザナミハジメテノ
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原文

爾に伊邪那岐命詔りたまひけらく、
「然らば吾と汝と是の天の御柱を行き廻り逢ひて、美斗能麻具波比為む。」
と詔りたまひき。

如此期りて、乃ち
「汝は右より廻り逢へ、我は左より回り逢はむ。」
と詔りたまひ、約り竟へて廻る時、伊邪那美命、先に
「阿那邇夜志愛袁登古袁」
と言ひ、後に伊邪那岐命、
「阿那邇夜志愛袁登売袁。」
と言ひ、各言ひ竟へし後、其の妹に告曰げたまひけらく、
「女子先に言へるは良からず。」
とつげたまひき。然れども久美度邇興して生める子は、水蛭子。此の子は葦船に入れて流し去てき。次に淡島を生みき。是も亦、子の例には入れざりき。
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現代文訳

伊邪那岐命(イザナギミコト)は言いました。
「それでは、私とあなたでこの天御柱アメノミハシラ)を互いに反対に回って会って、まぐわいましょう」

そう約束して
「あなたは右回りに、私は左回りに行きましょう」
と回ったら、伊邪那美命(イザナミミコト)が先に
「あぁ、なんてイイ男なんだろう!」
と言い、その後に伊邪那岐命(イザナギミコト)が
「あぁ、なんてイイ女なんだろう!」
と言いいました。

伊邪那岐命(イザナギノミコト)は言い終えた後で
「女が先に話しかけるなんて不吉だ」
と言いました。

それで二柱が床で交わって作った子は水蛭子(ヒルコ)でした。
この子は葦で作った船に乗せて流して捨ててしまいました。
つぎに淡島(アワシマ)が生まれましたが、これも子供とは認めませんでした。
日本書紀の対応箇所
第四段本文 大八洲の誕生
第四段一書(一) 天つ神とイザナギとイザナミ
第四段一書(五)海鳥に学ぶ
第四段一書(十)女性が告白して男が受け入れる
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解説

柱を回るのは
中国やインドの民間の祭りや風習の中に柱の周囲を回るというものが残っているので、これが伝わったのだと思われます。

女が先に話しかける→失敗
当時の日本では中国の律令制度を取り入れていました。中国の律令制度は男系社会が基本で、男が家長でした。コレに対して日本の古代は女系家族だったようです。日本は女系社会から男系社会へと移行するという意思表明だったのかもしれません。また日本にとっては新しい思想である「男系社会」を神話の中で表記すること自体が「カッコイイ」と考えていたのかもしれませんね。
参考:神話で第一子が失敗である理由は胎盤を第一子と見るため
最初の子供が失敗した理由
最初の交わりで出来た子供、ヒルコは失敗作でした。古事記では「生まれたけど子にはカウントしないよ」という記述ですが、日本書紀では「3年たっても足腰の立たない」という言い方になっていてハッキリと失敗であったと分かります。
コレに関しては、「神話の創世の中で最初に作ったモノは失敗することが多い」という類型パターンがあります。東南アジアでは「胎盤」を第一子とカウントする風習があり、そうなるといつでも第一子は「人間ではない」わけですから、こういった神話になるわけです。

またイザナギとイザナミは神であるとはいえ兄妹。インセストタブー(近親相姦に対する罰)を表現したという説もあります。ただどんな神話でも最初に生まれた神は登場人物が少ない以上は親類縁者と結ばれるしかありません(例:アダムとイブ)。だからこれを特別視するのはあまり意味が無いのかもしれません。
淡島は淡路島ではない
淡島はこの後に生まれる淡路島とは違います。もしかしたら泡島だったのかも。
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ヒルコ

ヒルコの正体は?
古事記では三歳になっても足腰の立たない不完全な存在として捨てられるヒルコ。しかし日本書記の一書では、アマテラスツキヨミスサノオと共に生まれる兄弟です。ヒルコという名前も田んぼで人の血をすう「ヒル(蛭)」が当てられていますが、もしかすると「日ル子」、つまり太陽の子という意味があったのかもしれません。
神の第一子が失敗作というのは神話のよくあるパターンです。これは東南アジアで胎盤を第一子として見ていて、胎盤が兄であり、弟である赤ん坊を守っているから、という考えが反映されているとされます。
参考:神話で第一子が失敗である理由は胎盤を第一子と見るため
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正体は?

ワカヒルメについて考える
そういえばアマテラスの妹とされる「ワカヒルメ」という女神がいます。「若」「日る」「女」…ヒルコと関係があるかもしれません。しかしアマテラスたちは最後に生まれた神。アマテラスに妹がいるなんて矛盾してます。実はワカヒルメはアマテラスと同一だったのではないか?という説もあります。ワカヒルメはスサノオ誓約のあとで職場に皮を剥いだ馬を投げ込まれて、アソコが傷ついて死んでしまう女神。ヒルメとヒルコ。どちらも不遇の存在です。
ヒルコのその後
ヒルコはその後、流れ着いた先で育てられ、青年となって西宮神社で祀られる「エビス」となります。ただしエビスという神は「来訪神」で、海から流れ着く「ありがたいもの」という漠然とした意味だったようです。元々はたまに浜に打ち上げられるクジラの死体――腐れば病気のもとですが、貴重な蛋白源でもあった――などだったと思われます。もちろんクジラだけじゃないでしょう。浜に打ち上げられるモノ(死体)を祀ったのがエビスとなりました。だからヒルコはエビスになりましたが、エビス神はヒルコ以外にスクナヒコナコトシロヌシなど、常世の国に関係する神が同一視されています。
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