三貴神の分割統治

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三貴神の分割統治

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原文

此の時伊邪那岐命、大く歓喜びて詔りたまひけらく、「吾は子生み生みて、生みの終に三はしらの貴き子を得つ。」とのりたまひて、即ち御頸珠の玉の緒母由良邇取り由羅迦志て、天照大御神に賜ひて詔りたまひけらく、「汝命は、高天の原を知らせ。」と事依さして賜ひき。故、其の御頸珠の名を、御倉板挙之神と謂ふ。次に月読命に詔りたまひけらく、「汝命は、夜の食国を知らせ。」と事依さしたまひき。次に建速須佐之男命に詔りたまひけらく、「汝命は、海原を知らせ。」と事依さしたまひき。

現代語訳

伊邪那岐命(イザナギミコト)はとても喜び、
「私は子供を次々に生んだが、最後に生まれた三柱の神は貴い子だ」
と言いました。
すぐに首飾りを揺らして、天照大御神アマテラスオオミカミ)に授け
「あなたは高天原を統治しなさい」
と言いました。
それで首飾りの玉を御倉板挙之神(ミクラタナ神)といいます。

次に月読命(ツキヨミミコト)に
「あなたは夜の食国を統治しないさい」
と言いました。

次に建速須佐之男命に(タケハヤスサノオミコト)に
「あなたは海原を統治しなさい」
と言いました。
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解説

というわけで禊の結果生まれたアマテラスツキヨミスサノオイザナギが世界の統治権をゆだねるというところまでです。

イザナギがそもそも海洋民族が信仰した神であり、禊(ミソギ)というものも海洋民族の宗教儀礼だったとされます。

じゃあイザナミの苦労ってナンだったの?
イザナミと悪戦苦闘して交わって生まれた沢山の神。結局カグツチによってやけどをしたイザナミは死んでしまい、黄泉の国までイザナギが迎えに行くのですが、結局離婚…という物語の後に、ミソギをして更に様々な神が生まれたわけですが――――

え? 一人で生めるの??

みたいな。あんだけ頑張ったのに、ちょちょっと水で身体を洗っただけで「一番出来のいい三貴神」が生まれるんなら、イザナミって一体……

ここらへんの矛盾というか不毛というか、あやふやな所が魅力なんですよね。

個人的コラム

日本書紀ではイザナギとイザナミが作ってます
古事記では三貴神はイザナギが一人で作っちゃいますが、日本書紀では夫婦で和合して作ります。
参考:第五段本文 神々を生む 第五段一書(一)三貴神の誕生 第五段一書(二)三貴神からワクムスビまで

むしろイザナギが一人で作っているのは少数派です。それに日本書紀では本文は「夫婦で」作っています。
イザナミが黄泉の王だから?
もしかすると、ですが。
イザナミは死に、黄泉の王となります。皇祖アマテラスが、その死のケガレにまみれた黄泉の王の子孫であることを古事記の編纂者は嫌ったのかもしれません。
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