三柱の女神が生まれる

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宗像三女神の誕生

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原文

爾に天照大御神詔りたまひけらく、「然らば汝の心の清く明きは何して知らむ。」とのりたまひき。是に速須佐之男命答へ白しけらく、「各宇気比て子生まむ。」とまをしき。
故爾に各天安河を中に置きて宇気布時に、天照大御神、先づ建速須佐之男命の佩ける十拳剣を乞ひ度して、三段に打ち折りて奴那登母母由良爾、天の真名井に振り滌ぎて、佐賀美邇迦美て、吹き棄つる気吹の狭霧に成れる神の御名は、多紀理毘売命。亦の御名は奥津嶋比売命と謂ふ。次に市寸嶋比売命。亦の御名は狭依毘売命と謂ふ。次に多岐都比売命。
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現代語訳

天照大御神アマテラスオオミカミ)が言いました。

「ならば、あなた(=スサノオ)の心が清く正しいことはどうやって証明するのですか?」

すると速須佐之男命(ハヤスサノオミコト)が
誓約(ウケイ)をして子供を生みましょう」
と言いました。

天安河(アメノヤスカワ)を間に挟んで二柱は誓約をしました。

天照大御神(アマテラスオオミカミ)がまず建速須佐之男命(タケハヤスサノオミコト)が持っていた「十拳の剣(トツカノツルギ)」を受け取って、三つに折り、天真名井(アメノマナイ)の水ですすいでから噛み砕き、吹き捨てました。

その息吹から生まれた神の名は
多紀理毘売命(タキリヒメミコト)。別名は奥津嶋比売命(オキツシマヒメノミコト)です。
次が市寸嶋比売命(イチキシマヒメノミコト)。別名は狭依毘売命(サヨリビメノミコト)。
次が多岐都比売命(タキツヒメノミコト)です。

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解説

誓約は何か?
天皇の祖神であるアマテラスと出雲の祖神であるスサノオ。この二柱が誓約という名の「交わり」でまず宗像三女神タキリヒメイチキシマヒメタキツヒメ)が生まれます。まぁ性交と考えてもおかしくないですね。誓約で証明すべきはスサノオの邪心なのに、アマテラスも子を作っているのはなんか変。

宗像三女神が産まれた
宗形氏の祖神・宗像三女神は大和朝廷にとって重要な神です。

宗形氏は北九州にいた豪族で、天皇に娘を嫁がせ外戚になり、権力もありました。そして朝鮮半島と日本、また日本の海域を仕切る重要な役割を担っていました。出雲神話の中に出てくる「タケミナカタ」も元は「タケ=武⇒強い」+「ムナカタ」と言われています。宗形氏が九州だけでなく出雲地方へも海運を通じて繋がっていた証拠です。このタケミナカタはこの後、中臣氏の祖神「タケミカヅチ」によって諏訪に追い出されます。この諏訪で現在もつづく祭りが奇祭「御柱祭り」。宗形氏と出雲という現在では薄れた日本古来の文化・風習が奇祭という形で残っています。

個人的コラム

誓約は言霊があってこそ
誓約と言うギャンブルは「言霊」という信仰があってこそです。日本では言った言葉そのものにも力があります。そして、その言葉の力の強さは、神の霊威に比例します。それだけでなく、「正しさ」にも比例します。清らかであるほど強い。

だから「私の心が清らかならば女神が生まれる!」とか「男神が生まれる!」という言葉の通りに神が生まれます。

これは現在の「憲法九条があれば平和」という思想に無意識にですが、強い影響を持っていると言われています。
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