調子に乗る弟神

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調子に乗る弟神

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原文

爾に速須佐之男命、天照大御神に白しけらく、「我が心清く明し。故、我が生める子は手弱女を得つ。此れに因りて言さば、自ら我勝ちぬ。」と云して、勝佐備に、天照大御神の営田の阿を離ち、其の溝を埋め、亦其の大嘗を聞看す殿に屎麻理散らしき。

現代語訳

速須佐之男命(ハヤスサノオミコト)が天照大御神アマテラスオオミカミ)に言いました。
「わたしの心は清らかで明るいものである。だから、生まれた子はか弱くやさしい女の子だった。 それは言ってしまうと… つまりわたしが誓約に勝ったということだ!」

そして、勝利に乗じて天照大御神(アマテラスオオミカミ)が営む田んぼの畦を壊し、田に水を引く溝を埋めてしまい、大嘗(=収穫祭)を行う神殿でウンコをしました。
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解説

スサノオの勝利宣言の後に、無茶苦茶を始めます。田んぼの畦を壊して溝を埋めてしまい、神殿でウンコをまきちらします。しかし、どうも納得いかない。

勝利⇒悪行

単なる理屈としては構いませんが、わたしが古事記の担当編集者ならば作家に「なにこれ?」とマジギレしそうです。誓約の勝利と悪行の間には本来別の物語があったのではないかと疑いたくなります。

個人的コラム

スサノオの行動は変えられたもの
スサノオが誓約の後に悪さを始め、その後、天の岩戸事件が起きて、その責任を問われて高天原を追放されます。

この流れの中で、誓約で生まれた神々は、罪を問われる以前に生まれたことになります。これに対して日本書紀の七段の一書では、違う順番で物語が進められます。
参考
第七段一書(三)-1 云々
第七段一書(三)-2これほど素晴らしい歌は聞いたことが無い
第七段一書(三)-3旅人・雨・笠・蓑
第七段一書(三)-4悪行→岩戸→追放→誓約
第七段一書(三)-5姉君は、天の国を照らしてください。
罪のケガレについて
日本人はケガレを嫌います。ケガレは本来病気を起こす「汚いもの」「腐ったもの」を表していたのですが、ここに「罪」も入って来ます。罪のケガレが付いたら、悪い奴はずっと悪い奴で、悪い奴の子供も悪い奴です。この考えを元にしたものが「部落差別」となります。

となると七段の一書(三)の物語だと天皇の先祖であるアメノオシホミミも罪の穢れを持った神となってしまいます。これでは困ります。

そこで無理やり誓約による出産を最初に持ってきたのでしょう。
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