古語拾遺1天地開闢

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古語拾遺1天地開闢

投稿日時:2018-03-10 18:18:28
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原文

一聞 夫 開闢之初 伊奘諾伊奘冉二神 共爲夫婦 生大八州国 及山川草木 次 生日神月神 最後 生素戔鳴神 而素戔鳴神 常以哭泣爲行 故 令人民夭折 青山變枯 因斯 父母二神 勅曰 汝甚無道 宜早退去於根国矣

現代語訳

天地開闢
聞いたところによりますと、そもそも、天地が開闢すると最初に伊奘諾(イザナギ)、伊奘冉(イザナミ)の2柱の神が、夫婦のまぐわいをして、大八州国(オオヤシマノクニ=日本)や、山川草木を産みました。次に日の神、月の神を産みました。最後に素戔嗚神(スサノオノカミ)を産みました。素戔嗚神は常に激しく泣き喚いておりました。それで人民(ヒトクサ)を不意に死なせてしまい、青い山を枯山にしてしまいました。それで父母の2柱の神は言いました。
「お前は、甚だ無道(あづきなし=道に背いている)です。すぐに根の国に退去するべきだ」
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解説

天地開闢後に「最初に」イザナギイザナミが現れる
古事記・日本書紀ではイザナギイザナミは決して「最初」の神ではなくて、それとは別に神々が存在しています。古語拾遺では次のページでその神々が描かれるんですが、それよりもイザナギ・イザナミが最初に書かれるということは優先順位が高かったのではないかと思いますね。
三貴神はイザナギとイザナミが産んだ
古事記では三貴神はイザナギが単独で生んでいますが、古語拾遺ではイザナギとイザナミがまぐわって産んでいて、スサノオ根の国に行く際にもイザナミは死んでいない。
日本神話には各地・各氏族にいろんなバージョンがあったんでしょうね。
古事記の参考箇所三貴神の分割統治

スサノオは無道ゆえに根の国
スサノオが乱暴であるが故に追い出されるというストーリーは天岩戸神話を経ていなくても、属性としてあったんでしょうね。
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