内色許男命（ウツシコヲノミコト）

内色許男命（ウツシコヲノミコト）は古事記に登場する人物名。
男性。
古事記には出るが日本書紀にはない。
古事記によると穂積臣の祖先。
ちなみに穂積臣の最初の最初の祖先は邇芸速日命（ニギハヤヒ命）と登美夜毘売（トミヤビメ＝ナガスネヒコの妹）との間に生まれた「宇麻志麻遅命（ウマシマジ命）」です。

妹に内色許売命（ウツシコメノミコト）。
内色許売命（ウツシコメノミコト）は孝元天皇（8代）の后で、開化天皇（9代）を含む、三人の皇子を生んでいます。
娘に伊迦賀色許売命（イカガシコメノミコト）。
伊迦賀色許売命（イカガシコメノミコト）は孝元天皇の后で、比古布都押之信命（ヒコフツオシノマコトノミコト）を生んでいます。また伊迦賀色許売命（イカガシコメノミコト）は次の開化天皇（9代）の后にもなり、崇神天皇（10代）を生んでいます。妹と娘が二代の天皇を「生んでいる」のです。

日本書紀には内色許男命（ウツシコヲノミコト）の名前はありませんが、孝元天皇の皇后の欝色謎命（ウツシコメノミコト）は妹の内色許売命（ウツシコメノミコト）と音が同じ。妃の伊香色謎命（イカガシコメノミコト）は音が迦賀色許売命（イカガシコメノミコト）と同じ。日本書紀では内色許男命（ウツシコヲノミコト）の代わりに
伊香色謎命の親として「大綜麻杵（オオヘソキ）」という人物の名前が見られます。大綜麻杵（オオヘソキ）が内色許男命と同一人物かは何とも言えない。
娘が二代の天皇に見初められる
古事記によれば娘の伊香色謎命（イカガシコメノミコト）が孝元天皇・開化天皇の二代に娶られて、それぞれで子供を生んでいます。その子供の中には崇神天皇（10代）もいます。つまり内色許男命（ウツシコヲノミコト）は崇神天皇の外祖父になります。崇神天皇は中興の祖と言える天皇です。その外祖父というのはなかなかのこと、のはずです。
名前から考える
名前から性質を考えると「ウツス」「シコオ」で、シコオは「霊力の強い男」。ウツスは「現れる」ではないかと。全体を通すと「目に見えるくらいの霊力が強い男」だと思います。
ところで似た名前に「大国主」の別名の「葦原色許男（アシハラシコオ）」があります。また「黄泉津醜女（ヨモツシコメ）」もあります。どうも名前から考えると人物名ではなくてバリバリの神の名前に見えるんですが。

夫孝元天皇（8代）
妻内色許売命（ウツシコメノミコト）…穂積臣の祖先である内色許男命（ウツシコヲノミコト）の妹


夫孝元天皇（8代）
妻伊迦賀色許売命（イカガシコメノミコト）…穂積臣の祖先である内色許男命の娘


夫開化天皇（9代）
妻伊迦賀色許売命（イカガシコメノミコト）…穂積臣の祖先である内色許男命の娘

以下に内色許男命の妹の内色許売命と娘の伊香色謎命の婚姻をまとめていますが、日本書紀では内色許男命の名前は見られませんから、彼女らが妹と娘であると仮定した場合のまとめです。

夫孝元天皇（8代）
妻内色許売命（ウツシコメノミコト）


夫孝元天皇（8代）
妻伊香色謎命（イカガシコメノミコト）


夫開化天皇（9代）
妻伊香色謎命（イカガシコメノミコト）…庶母（ママモ…継母のこと）。

孝元天皇と妻、その子供たち

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