古宮大明神社（香椎宮）

祭神仲哀天皇
社格香椎宮摂社
香椎宮のすぐ隣にある「古宮」。仲哀天皇が滞在し、神を降ろす儀式をした場所は本来はコチラであるとされます。

仲哀天皇は父親のヤマトタケル・祖父の景行天皇と同じように九州の熊襲を鎮圧しようとします。そこで皇后である神功皇后を依代にし、仲哀天皇が琴を弾いて、神を降ろします。神は「熊襲じゃなくて、朝鮮に行け」と言うのですが、仲哀天皇は神の言葉を無視したために死んでしまいます。その儀式をした場所（つまり仲哀天皇が死んだ場所でもある）がこの「古宮大明神社（香椎宮）」です。
神功皇后と武内宿禰は仲哀天皇の死を隠して、仲哀天皇の遺体は豊浦宮に安置し、朝鮮半島へと兵を進めます。

神社の歴史
古宮の由緒書きによると…仲哀天皇の死後、棺に入れて、あたかも仲哀天皇が存在するかのようにして御前会議を開きました。そのとき棺を立てかけた「椎の木」の香りがしたことが「香椎」の地名の由来であるとされています。この木を神木「香椎」と呼んでいます。


神亀元年（724年）12月20日に香椎廟（廟＝死者を祀る施設）が作られ、仲哀天皇と神功皇后が祀られていましたが、いつのまにか神功皇后だけが祀られるようになり、古宮は忘れられ、現在、立派な神社となっている香椎廟が本来の神社…香椎宮であるようになり、本来の「香椎宮」である古宮は忘れられてしまいます。

現在の香椎宮（古宮にも香椎宮にも）には仲哀天皇が祀られています。

香椎の名前について
日本書紀で香椎宮は「橿日宮」と表記されています。「日」がある以上は「太陽信仰」に関わるのではないかなと。橿は「カシの木」のこと。カシやブナなどどんぐりの実をつける樹木です。単純に樹霊信仰をした土地だったのを反映したのだと思います。ちなみに椎の木もブナ科の植物。表記は違いますが、どちらもニュアンスは近いのではないかなと。
椎木の香りのお話は、元々、香りには魔除けの性質があるから…かと思うのですが、「シイ」の木の香りって、いい匂いじゃないんですよね。山の中を歩いていて、栗の花の匂いと同じ、なんと言うか「イカクサイ」と言うか、そう言う匂いで、殺菌効果があるような匂いじゃない。この椎木の香りの話は、単にこの地域に椎木があったことの反映と、樹霊信仰の反映ではないかと思います。

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